事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

タイミングはとても大切

タイミングはとても大切

みなさまに質問です。

 園内で怪我をしてしまった園児の保護者から、怪我の翌日に、園の対応がおかしいと強めの口調で言われたとき、どのように対応しますか?前提として、園の事故後の対応に不備はなかったということを付け加えます。

 事故後の園の対応に不備がないため、事故後の対応の記録を保護者に見せながら園の対応に不備がなかったことを理屈で説明してしまっては、この保護者のお怒りをしずめることはできません。

 先ずは、我が子が痛い思いをしてしまったことによる、やり場の無い怒りを抱えている保護者の方の気持ちを理解することです。

 お怒りになっている保護者の方に理屈を並べ園の正当性を主張することは、保護者の怒りを増徴することはあっても、しずめることはありません。

 保護者の方が、園の対応がおかしいというのであれば、保護者から見たら園の対応はおかしかったのです。そのことをまずは受け止めることが重要です。

 その上で、起きてしまった事故の謝罪、事故後の対応が不十分であったことを謝罪します。そうすることで、時間の経過とともに保護者の方のお怒りはしずまっていくのです。

 ここで、勘違いして欲しくないことは、私は保護者の方の言いなりになることが重要だといっているわけではないことです。

 我が子が怪我をしてやり場の無い怒りを園にぶつけている状態の保護者には理屈や正当性を主張しても火に油を注ぐことになってしまうと言っているだけです。

 園児の事故後2週間以上経過して、みなさまが上記のような対応をしているにもかかわらず、しつこく園を非難してくるのであれば、園の事故後の取組のルールの説明、そして事故後の対応の説明をし、園としてできることはやっていたという説明が必要になってくる時期がきます。

 何をどのタイミングで保護者に伝えるかは、事故後の対応では重要なポイントになってくるのです。

2021.03.24