事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

最近気になること

法人幹部の不祥事が止まりません。

法人幹部の不祥事が止まりません。

保育料で会員権購入の元園長、勤務中に飲酒も

 滋賀県栗東市の社会福祉法人「こだま保育園」の学童保育所で、園長が学童保育料をゴルフ会員権購入など不適切に使用、管理し滋賀県が改善を指導している問題で、同法人は16日夜、同市の保育園で保護者に説明会を開いた。(京都新聞 2017年2月16日)

補助金詐欺 元保育園長ら逮捕

 東大阪市かた補助金約2350万円をだまし取ったとして、大阪府警は21日、元保育園園長でタクシー運転手と、元副園長の飲食店従業員の両容疑者を詐欺の疑いで逮捕した。東大阪市は、2人が約1億円を私的流用したとみて、昨年4月に業務上横領容疑で刑事告発していた。(毎日新聞 2017年2月21日)

前副町長を収賄容疑で逮捕

 奈良県田原本町の保育所への補助金支給を巡り、便宜を図る見返りに数十万円相当の利益供与を受けたとして、県警は23日、前副町長を収賄容疑で、保育所を運営する社会福祉法人「愛和会」の元理事長を贈賄容疑で逮捕した。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。(産経新聞 2017年2月23日)

社会福祉法人理事長が213万円着服

 福岡県水巻町で保育所2カ所を運営する社会福祉法人「なおみ会」のトップを努める理事長が法人の資金や公的な補助金など約213万円を私的に不正流用していたことが22日、町関係者への取材でわかった。保護者らからの情報提供を受け町が今月中旬に監査して判明した。(毎日新聞 2017年2月23日)

 今年の4月から、社会福祉法人制度改革が始まります。この改革の目的の1つは、ガバナンスの徹底です。ガバナンスとは、「統治」の意味で使われ、一般企業の場合には経営陣による経営の管理といったことを指します。同様に社会福祉法人では、理事会による事業の管理強化ということです。

 今回のブログで取り上げた記事は、すべて社会福祉法人の運営者によるお金の管理ができていない不祥事事例です。お金の管理ができない人に組織の運営管理はできません。

 最近、保育事業への企業参入が目立ってまいりましたが、企業ではお金の管理に関して、個人的にも組織的にも厳しいルールが設けられ、従業員一人ひとりにいたるまで、厳しく教育されます。私は、社会福祉法人の金銭不祥事にも仕事として関わりますが、この点において社会福祉法人や学校法人は、一般企業よりも感覚が鈍いように感じます。

 金銭感覚というよりは、金銭に対するコンプライアンス感覚といった方が伝わるでしょうか。個人のお金の使い方は人格を表すことがあるくらい重要なものです。さらに、補助金の不正受給などは、個人の故意で起きるトラブルです。こういった自滅型事故は、確実に防げるものなので、ぜひ、自己管理していただきたいものです。

2017.03.03