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忘れがちな保育士の責任

忘れがちな保育士の責任

 最近、弊社に少しずつ研修のご依頼が増えている項目があります。それは「保育士の情報漏えい」です。そのため、今回のブログでは、保育士の情報漏えいについての基本的な考え方を復習いたします。

 保育士にはそもそも、守秘義務が存在します。それは、児童福祉法第18条の第22で保育士に義務付けられています。守秘義務を課せられている他の職業で有名なのは弁護士や警察などです。守秘義務を課せられるのは、職務遂行上、他人の個人的な情報に触れる機会が多い職業です。保育士は園児の個人情報や、園児を通じて各家庭の事情を知りえる立場であるため、法律上守秘義務が課せられているのです。

 保育士が守秘義務に反し場合、児童福祉法第18条の第19で保育士資格の取消という罰が規定されています。また、守秘義務に反して各家庭の情報を漏えいした場合、情報を漏えいされた家庭から、精神的苦痛を理由に損害賠償を請求されてしまう可能性もあります。

 ここで問題になるのは、守秘義務が課せられている情報とはいかなるものか?ということです。答えは単純明快で「業務上知りえた情報すべて」です。つまり、保育士として働いている過程で見聞きしたものすべてが、守秘義務が課せられている情報になります。

 そのため、保育士の方は、働いている過程で見聞きした情報の価値をしっかりと把握することが重要に成ります。価値をしっかりと把握すれば不用意な情報漏えいを防ぐことができます。

2021.07.28