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問題行動を起こす園児の保護者への対応。

問題行動を起こす園児の保護者への対応。

 問題行動を起こす園児に対しての相談は、昔から弊社に寄せられてはいましたが、ここ数年多くなってきているように感じます。私自身が親になってみて、問題行動を起こす園児とその保護者の話を園の先生から聞くと胸が締め付けられるような思いになります。

 園児の問題行動とは、以上時になってもお友達を噛んでしまう、お友達の物を壊す、お友達の髪が抜けるほどひっぱる、自分の体を傷つける、自分は死ねばいいと泣き叫ぶなど。これらは一例ですが、実際に園で起こっている事です。「知的な障害があるなら、専門家に診てもらい、適切な処置をして問題行動を起こす園児のためにできることをしていきたい」と園の先生はいつもお話をされています。

 弊社に相談を寄せられる園の先生は、ほとんどがそのように考えていらっしゃると思います。しかし、その考えが少し別の意味で偏っていることもあります。それは、「決めつけ」です。「自分のこれまでの保育経験上、この子は絶対に障害があるから、専門家に受診させて障害認定がでれば加配もしてもらえるし、十分なケアができるから」と思っている園の先生も少なくありません。

 その決めつけが先行して、保護者の対応をしてしまうと少しやっかいなことになってしまいます。それは、保護者にとっては、自分の子どもに何か障害があるもかもしれないなんて、青天の霹靂な話ですから、不安な思いと自分の子を異常者扱いされているという園への不信感や怒りしか抱かなくなってしまいます。どのような保護者の方なのか見極めた上でうまく話をしていく必要があります。

 まずは、「決めつけ」で話をしないことが肝心です。以前、園長先生が「絶対にこの子は、障害があると決めつけて保護者に専門機関に受診するよう話して、受診させたところ、まったく何の異常もないという診断がくだされたことがあります。もちろんまだ判断がつかないという話かもしれませんが、その診断結果を聞いた保護者は激怒して、大クレームに発展したことがあります。

 万が一、自分の子に障害があると診断されてもそれを受け入れるには親として相当な時間がかかります。もしくは、言われなくてもひょっとしたらそうかなと思ってた。でも受け止められないし、まだ小さいから他の子どもより成長がゆっくりなだけだと自分に言い聞かせている保護者も中にはいるでしょう。

 そのような保護者の揺れ動く気持ちもくんでデリケートな話題は慎重に行う必要があると思います。知的な障害でなくても問題行動を起こす園児がいるという現実も実際にあります。次回は、問題行動の原因についてお話していきたいと思います。

2017.07.17