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園の安全を守るのはモノではなくヒトです!

園の安全を守るのはモノではなくヒトです!

 園児の園からの抜け出しは一昔前と以前のブログでご紹介いたしましたが、先日、園児の園からの抜け出しの相談がアイギスに入りました。そのため、今回のブログでは園児の抜け出しについて考えていこうと思います。園児が園から抜け出してしまうまでには2つの段階が必要になります。1つ目は保育士の監視エリアから園児が抜け出してしまうという段階、2つ目は園児が園の門を抜けてしまうという段階です。そのため、園児の園からの抜け出しには2つの段階でそれぞれ対策をとることができます。

 1つ目の保育士の監視エリアから園児が抜け出してしまうという段階においては、まずは園児をしっかりと見守るという対策があります。そして、園児が抜け出してしまったことにいち早く気がつくために、園児の活動内容が変更する際に、そのつど、園児の人数確認をするという対策があります。園児の園からの抜け出しがおきてしまった園で共通することがあります。それは、給食が1人分あまってしまった、園児の着替えが1人分残ってしまったなど、何かしらのきっかけで園児が1人いないことに気がつき、園児の人数確認をするという共通点です。園児の人数確認は園児がいなくなったことの確認ためにおこなうものではありません。園児がいることの確認をするためにおこなうものです。活動内容の変更の際に人数確認をしていれば、仮に園児がいなくなってしまった場合でも、この時点まではいなくなってしまった園児は確実にいたということがわかります。そうすることにより、園児の捜索範囲を限定することができます。

 2つ目の園児が門から抜け出してしまうという段階においては、門を園児が開けられないように従前より複雑な鍵をつけるなどの対策があります。しかし、鍵を新しくかえたとしても、鍵を閉め忘れてしまえば意味がありません。鍵が閉まっていることが正常な状態であるという認識を全職員で共有することが必要になります。

 園児の園からの抜け出しには上記のような対策が考えられます。安全対策を考える際、ついつい設備などのハード面の対策のみになってしまいがちですが、園の安全を守るうえで重要なのは職員の意識です。安全対策を考える際には、ハード面の対策のみではなく、職員の意識改革にもご配慮ください。

2018.11.14