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悲しい感染症対策

悲しい感染症対策

 先日、私の知人の親戚が亡くなったという報せを聞きました。その知人は、「県外に住んでいる人はお見舞いは勿論、お葬式にすら参列できない」という理由で、死に目に会うことが叶わず、死後ひと目会うことも叶わず、遠くから手を合わせることしかできませんでした。死因はコロナウイルスや感染症ではなく、天寿を全うされました。

 私はこの話を聞いて、理解も納得もできませんでした。兄弟すら、親子ですら、県外に住んでいたらお見舞いも許されず、お葬式に参列することも許されないのです。そしてこれらをすべて「感染症対策のため」と、この一言で済まされてしまうのです。本当に我々人間は、この判断で良いのでしょうか。人間としての在り方を、もう一度考えるべきなのではないでしょうか。

 私は専門家でも医者でもありません。病院や葬式場のこの判断が「正しい」のかどうかはわかりません。ですが、心や情を失った人間というのは果たしてこの先生きていて何か意味があるのでしょうか。

 園で働く皆さまも、卒園式や入園式をはじめ、さまざまなイベントがあると思います。そのたびに、開催の有無や感染症対策に悩まされているのではないでしょうか。感染症が広まらないこと、人々が病気に悩まされないようにすることはとても大事なことです。ですが、「人間として」大事なことも忘れてはいけないと私は思います。この「コロナ禍」と呼ばれるワクチンもない感染症の渦の中、人と人との繋がりを何よりも大事にしなければならないのではないでしょうか。

 大好きな人が亡くなったとき、大好きな人の子どもが産まれたとき、それぞれ人間の節目と呼ばれるときに、悲しい規制があるものだな、と悲しむ知人を見て、他人事ながら、私も心底悲しくなりました。このままこの国を悲しい国にしないためにも、もう少しできることを考えるべきだと強く感じました。

2020.08.14