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2019年展望「あたりまえのことをあたりまえにやる」④

2019年展望「あたりまえのことをあたりまえにやる」④

調理師と保育士を略式起訴 保育園のアレルギー誤食

 宮崎市の認可保育園で、重度アレルギーがある女児に原因物質を含んだおやつを食べさせ、アナフィラキシーを発症させたなどとして、宮崎区検は27日、業務上過失傷害の罪で園の調理師と保育士の2人を宮崎簡裁に略式起訴した。園を運営する社会福祉法人理事長は不起訴とした。(2018年12月28日 宮崎日日新聞)

 今月最後のブログは展望の最終回です。事例はアレルギー誤食です。アレルギー誤食や誤嚥という事故は園児の食事に関するリスクです。何かしらの食べ物を園児が口の中に入れるという行為は、日常的に行われるので、日常リスクと言えますし、毎日、このリスクを取らなければならない場面が保育施設には存在します。

 アレルギー事故の発生原因は、確認不足ということにつきます。今回の事例も確認不足によって起きた事故だと考えられます。しかし、その結果、問われた責任は刑事上の責任で、略式起訴ということは、ほぼ有罪確定(おそらく罰金刑)という結果を招いています。

 アレルギー誤食防止については、全国すべての保育施設で実施していることと考えられます。しかしながら、日常リスクに関して毎日事故防止に取り組んでいると、「慣れ」という問題が生じてきます。

 そもそも確認する(安全な状態については特に)という行為は、異常を発見するという行為ではなく、正常を確認するという行為です。Aさんには、アレルギー除去食を配膳しなければならない。①目の前の子はAさんである。②この給食はアレルギー除去食である。という2点の確認です。

 事例でもアレルギー誤食に業務上過失傷害罪が問われています。ということは、この失敗は許されない失敗だということです。それゆえ、確認作業は慎重にやらなければならないということです。

 当たり前のことを当たり前にするということは簡単に見えて難しいことです。「凡事徹底」という言葉がありますが、当たり前のことを徹底して行うということです。保育施設内でも「凡事徹底」に努めてください。

2019.01.25