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中堅職員の離職問題。

中堅職員の離職問題。

 先日、RM養成講座をアイギスでは開催いたしました。その中で話しにでたのが「中堅職員の離職について」でした。人材不足で求人をどう募集しようかと悩んでいる園は多く、人材確保に目が行きがちですが、みなさまの園で長年勤めてくれる中堅職員は大切な戦力だと思います。そんな中堅職員のフォローができておらず、中堅職員までもが園を辞めてしまい、大変な人材不足に悩まされることになる園もいらっしゃいます。まず、中堅職員は新人職員と違って、先輩からのきつい指導に耐えてきて、長年の保育経験や保護者対応の経験も豊富です。それなりの保育に関する熱い思いももっていらっしゃいます。そうなってくると新人職員への指導も熱を入れすぎて、新人職員からしてみると、先輩職員の熱い思いなんてわかるわけもなく、パワハラだと感じてしまうことがあります。

 新人職員は、先輩職員からパワハラを受けて辞めたいといってくる、先輩職員は「ちゃんと指導しなくっちゃ!」という熱い思いで指導しているわけですから、自分の行動がパワハラと言われ、傷つき辞めたいといってくる。このような負の連鎖が実際に現場で起こっています。だからこそ、中堅職員へのフォローが園では必要です。

 まずは、ジェネレーションギャップを中堅職員にわからせて、自分がされたようなきつい指導方法では若い職員は怖がるだけで指導にならないということを教えていく必要があります。そうすることによって中堅職員へのパワハラ誤解は軽減できると思います。

 今まで培ってきた経験の考え方を変えることは並大抵のことではありませんが、今は新人職員も中堅職員も互いの気持ちがわからずに互いが接しているという状況があるなら、互いの気持ちを通訳できる役割の人がいれば少しは変わると思います。その役割は園長でも主任でも、この人が適任では?と思う人にやらせてみるのも一つの手です。

 パワハラもセクハラも本人の感じ方次第です。新人職員Aが中堅職員に叱られてもなんとも思わなかったとしても、新人職員Bが中堅職員に叱られて「怖い、パワハラだ」と感じてしまったら、それはパワハラになってしまいます。

 何でもパワハラだと思っていたら指導なんてできないとこのブログを読んで思われるかもしれませんが、そうではありません。このような現状を理解した上で新人職員に指導する中堅職員は、関わる。このような現状があるから園長や主任が通訳として新人職員や中堅職員の間に入ればいいだけなのです。パワハラだ!と騒がれる世の中になってきたのは、ひとえにコミュニケーション力の低下も原因だと考えられます。互いの意思疎通ができていれば誤解は生まれないからです。その誤解が生まれないためにもコミュニケーション力を自園の職員にどう身につけさせていくのか、考えてみてはいかがでしょうか。

2017.11.20