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クレームを園に言ってくれいない保護者を生まないために。

クレームを園に言ってくれいない保護者を生まないために。

 クレームを日々保護者から言われることに疲弊している職員さんもいらっしゃるかもしれませんが、少しだけ見方を変えてみるのも一つの手だと思います。クレーマーの種類の中に「サイレントクレーマー」という種類のクレーマーが存在します。サイレントクレーマーとは、ものを言わぬクレーマーのことを言い、商品やサービスに不満がある場合に直接提供者にクレームを言わず、自ら顧客であることを止め、更には口コミやSNSサイトでその提供者の悪評を流す人のことを言います。通常のクレーマーと異なり、提供者にはクレーマーの存在が明らかにならないばかりか、知らぬ間にマイナスの影響が発生する不気味な存在でもあります。

 これを保育施設に置き換えてみてはどうでしょうか。保護者がサイレントクレーマーの場合、転園までいくと保護者も労力を使うばかりか、子どもにも負担をかけるので、そこまでしないにしても直接園にクレームを言われないと園としてもどこをどう改善していいかもわかりません。そしてネット上で園の悪口を書かれて、園の評判が落ちても原因を特定し解決することができません。そしてどの保護者が悪口をばらまいているのかもわからずに園としては手におえない状況に陥ってしまうかもしれません。

 ネットの口コミでそこまでにはならないだろうと高を括っている方もいるかもしれませんが、今の保護者世代は、病院も食事するお店も子どもと遊ぶスポットも口コミサイトで下調べし、その口コミ情報を鵜呑みにする方々です。かといって、みなさんがネットの口コミに惑わされることはないのですが、どうせネットでクレームを言われるならはっきり園に言ってもらって、解決できる状態のほうがマシなのではないでしょうか。またこのお母さんいろいろ面倒なこと言ってくると対応時に思われるかもしれませんが、言われたほうが楽なこともあります。

 保護者が園を通り越して行政に匿名で園の不満を言ってきているが、匿名なので対応のしようがない、でもその保護者の不満は払拭されていないので問題は解決していない、どの保護者かもわからなくて、保護者と関わっていくことも職員の方にとっては、苦痛かもしれません。サイレントクレーマーのほうがやっかいという考え方をしてみると、不満を表面化してくれる保護者のほうがまだ対応は楽かもしれません。

 サイレントクレーマーを生まないためには、一見園のことに無関心そうな心配なさそうな保護者の方を気にして、声掛けをしていくことだと思います。これは、園児とのかかわりと少しにているかもしれません。手のかかる園児は、自分はこれが嫌だ!今これしたい!とにかく今嫌だと思ったからとりあえず目の前にいたお友達を叩いてみた!噛んでみた!という感じなので心配しなくても必然的にかかわることになります。

 しかし、おとなしくて優等生タイプの園児は日頃手がかからない分、こちら側から関わっていかなくてはなりません。保護者も色んなタイプがいると思うので、園児と同じように観察してみましょう。

2017.04.24