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全労施協 不適切「飲食」 銀座で「会議」3300万円

 公益社団法人「全国老人福祉施設協議会」(全老施協、東京都千代田区)が、役員や関係者の高級飲食店での飲食費を「会議費」として処理するなど不適切な支出を繰り返していたとして、公益法人を監督する内閣府の公益認定等委員会に報告を求められたことが関係者への取材でわかった。不適切な支出は2013年度から2016年度途中までで約3300万円に上るとみられる。内部で批判が高まり、ほぼ全ての理事が辞任する事態に発展している。

 全老施協は2006年に社団法人として設立、2009年に公益法人に移行した。特別養護老人ホームやデイサービスセンターなど約1万1500の施設・事業所が加盟し、運営費の8割以上を会費で賄う。特養ホームと医療の連携の調査研究などで厚生労働省から2014年度に約2200万円、2015年度に約820万円の補助金を受けている。

 毎日新聞が入手した内部資料によると、会議費は少なくとも2013年度約980万円。2014年度約1250万円。2015年度約880万円。2016年度上半期約200万円が計上されていた。

 内訳を見ると、2014年7月には、元会長で一周忌を迎えた中村博彦・元参議院議員の「偲ぶ会」を東京・赤坂の料亭で開き、参加者から計12万円を会費として受け取る一方、14人分の飲食代約54万円を会議費として支出。銀座のクラブでの2次会は11人分55万円を全て会議費として処理した。

 2015年10月に12人が参加した「介護福祉を考える会」では赤坂の料亭と銀座のクラブで計約95万円。他にも高級飲食店を月数回の頻度で利用し、会議費として処理していた。関係者は「現職の国会議員が参加した会合もあった」と話す。

 不適切支出を知った公益認定等委員会は、昨年11月に全老施協の立ち入り検査を実施。資料を基に不適切支出を確認し、一部の役員が頻繁に飲食していた実態も把握したという。今年1月、文書で「法人としての管理・運営能力の欠如が疑われる。公益法人認定法に違反している恐れがある」として、支出の実態や再発防止措置の詳細な報告を求めた。

 全老施協は第三者組織を設け、2月に委員会に調査結果を報告した。しかし、再発防止策などが不十分だったため再報告を求められた。3月の総会で会長を含む理事29人中28人が辞意を表明し、一部の理事が損害を賠償する考えを示したという。

 全老施協は毎日新聞の取材に「委員会への報告が終わるまでは応じられない」と回答を拒否。委員会は「調査中の案件についてはコメントできない」としている。

 公益認定等委員会とは、複数の都道府県で活動する公益法人の認定を審査・監督する首相の諮問機関で、2007年4月に内閣府に設置された。法人の適正な運営を確保するため、立ち入り検査や報告を求める権限があり、認定基準に適合していない疑いがある場合は勧告や命令、認定取り消しを答申できる。内閣府による認定取り消しは「日本ライフ協会」など4例ある。公益法人は登記のみで設立できる一般法人と違い、税制上の優遇がある。(2017年4月20日 毎日新聞)

 「またですか」という感じで社会福祉業界のお金の問題が出てまいりました。今回は、公益法人の私的流用です。

 公益法人制度改革は2000年から2008年にかけて行われました。その改革の目的は、公益法人の経営透明化とそれにともなう情報開示です。

 つまり、公益法人である以上、その活動は公益に寄与していなければならないのです。もし、それができないのであれば、一般法人として存在すればいいわけです。

 今回の場合、公益法人でありながら、団体の一部の人間が公益性のない支出を繰り返し行っていたということです。このことから学ばなければならないことは、公益法人に関わる方々は、常に自分たちの行動が公益性に寄与しているか、どうかということを考えておかなければならないということです。

 先週このブログで書きましたが、マスコミは縦に攻めます。公益法人の不祥事も現在、マスメディアの方々が追いかけているテーマだと考えられます。今後、公益法人の不正経理の記事が続かないことを祈っております。

2017.05.05