【第6回】年金は年間いくらもらえる?【年金支給額を計算してみよう】
今回は、「ライフプラン」を設計するのに必要になる、知っているようで知らない知識の第6回目です。今回で年金のお話が始まって4回目です。
前回説明した、公的年金の老齢による受給・障がいによる受給・遺族給付は、前々回説明した国民年金と厚生年金保険ごとに受け取ることができます。分らなくなってしまった方はバックナンバーをご確認ください。
それでは、国民年金の老齢による受給から説明していきます。
国民年金の老齢による受給を老齢基礎年金といいます。老齢基礎年金は25年以上年金代を支払った人でなければもらうことはできません。25年未満しか年金代を支払っていない人でも、年金代を支払わなくていいと免除・猶予されていた期間などを含めて25年以上になっていればもらうことができます。年金代を支払わなくていいと免除・猶予される代表的な例は、所得が一定以下(平成29年度においては、原則として118万円以下)の学生です。例えば、22歳まで学生であって所得が一定以下なら、年金支払い猶予の申請をしていれば、2年間年金の支払いが猶予されるので23年間年金代を支払えば年金をもらうことができます。
それでは、老齢基礎年金はいくらもらうことができるのでしょうか?
平成28年度は満額で年間780,100円もらうことができます。満額ということは20歳から60歳まで40年間、欠かさず年金代を支払った場合に受け取れる金額です。20歳から60歳まで欠かさずに年金代を支払った人とそうでない人がもらえる金額が同じでは不公平ですから、年金は支払いをした年数で異なります。
では、満額の年金をもらえない人はいくらもらえるのでしょうか?少し計算が必要です。40年間は40×12=480カ月です。年金代を支払わなかった月数を480カ月から引きます。引いて出た数を480カ月で割ります。その数に780,100円(満額の支給額)をかけたす。こうして導き出された額を年間でもらうことができます。例えば、22歳まで年金の支払猶予を受けていた学生は、2年間つまり24カ月間年金代を支払っていません。そのため、480カ月から24カ月を引くと456カ月になります。そして、456カ月を480カ月で割ると0.95になります。最後に0.95に780,100円をかけた額741,095円を年間でもらうことができます。
みなさまも、是非、ご自分が老齢基礎年金をいくらもらえるかを計算してみてください。ポイントは、ご自分が60歳までに何カ月年金代を支払えるかです。次回は、老齢基礎年金を多くもらえる技から説明を始めたいと思います。
次回以降も乞うご期待くださいませ。
バックナンバーはコチラから
【第1回】将来への見通しは立っていますか?【「ライフプラン」ってなんだろう?】
【第2回】老後に必要な生活費っていくら?【ライフプランは終わりから】
【第3回】知っているようで知らない年金の話【年金と保険って似てる?】