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事件

保護者からの要求に泣き寝入りしないでください

保護者からの要求に泣き寝入りしないでください

「もう一回運動会やれ」校長に包丁付き付ける 容疑の夫婦を逮捕

 茨城県警日立署は4日、暴力行為等処罰法違反の容疑で、日立市内の無職で夫の容疑者(50)と妻で無職の容疑者(49)を逮捕した。

 逮捕容疑は2日、自宅を訪れた、子どもが通う同市内の学校の校長と教員2人に、包丁を突き付けて「運動会をもう1回やれ」などと脅迫したとしている。夫は「やっていない」と容疑を否認、妻は「間違いありません」と容疑を認めている。

 同署によると、両容疑者は子どもが通う学校に対し、2日に行われた運動会を「延期しろ」と複数回にわたって要求していたという。

 同署は動機を調べているが、何らかの理由で子どもが2日の運動会に出られないため、「延期しろ」と要求したが、聞き入れられなかったことから、「もう1回やれ」と脅迫した可能性があるという。(2016年10月5日 産経新聞)

 事故やトラブルの対応をアドバイスする仕事をしてると、学校や保育施設に対する保護者の要望は、年々エスカレートしているように感じます。

 もちろん施設の利用者である保護者には、施設の運営者に自分たちの要望を伝える権利があります。しかしながら、権利の主張と権利の濫用は異なるものなのです。

 権利の主張は、利用者として施設側に検討して欲しいことを伝えたり、改善点を要求したりすることです。この要求の範囲が権利の主張のレベルを超えなければ問題ないのですが、今回の事例のように要求のレベルを逸脱してしまうと犯罪行為になります。

 施設側には、犯罪行為にまで対応しなければならない義務はありません。このようなときは、迷わず警察に相談してください。もちろん、警察に相談するまえに行政の担当窓口の方に報告してから、警察に相談した方が行政との無用なトラブルが避けられるでしょう。

 常識を逸脱した保護者からの要望には、毅然とした対応を心がけてください。

2016.11.04