事故・トラブル最前線

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事件

やはり「不審者は内部にあり」です!

やはり「不審者は内部にあり」です!

水遊び園児15人の全裸動画撮影 遊具点検の容疑者逮捕

 全裸の保育園児15人を撮影していたとして大阪府警は20日、遊具製造販売会社員の容疑者(37)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕し、発表した。「盗撮癖があってスリルを味わいたかった」と容疑を認めているという。

 曽根崎署によると、容疑者は8日、遊具の点検に訪れた兵庫県の保育園で、水遊び中の3~6歳の園児(男児8人、女児7人)の全裸姿などを、スマートフォンの動画で撮影し、児童ポルノ3本を製造した疑いがある。スマホには盗撮と思われる複数の画像があり、容疑者が「3年前から盗撮をしていた」などと話していることから、署が捜査している。(2016年9月20日 朝日新聞)

 園を舞台にした児童ポルノ事件は、しばしば発生いたします。今回の事例は、園の出入り業者の従業員がその立場を利用して、顧客である園で預かっている園児を盗撮したケースです。

 この場合、遊具製造販売会社の社員は加害者で園児や園は被害者ということになります。しかし、園ではこの事件に対して対応をしなければならないでしょう。このような場合の対応は以下の通りです。

①行政への報告

②保護者への説明(今回の場合は、保護者会が必要でしょう)

③再発防止策の構築

 容疑者が水遊び中の全裸の園児を盗撮できたということは、この園では、全裸で水遊びをさせていたのでしょう。もしかしたら、今回の事件を受けて、行政からの指導か、保護者からの要望で、全裸での水遊びの方法を見直すことになるかもしれません。

 このようにもらい事故のような場合でも、園の管理下で起きた事件や事故であれば、対応せざるを得なくなります。不審者は外部にいて突然やってくるというような思い込みは危機管理上、正しくありません。相模原の知的障害者の施設で発生した事故を見ても、その他の事故事例を見ても、不審者は意外と内部にいて、顔見知りの人物が多いのが現実です。

 嫌な話かもしれませんが、危機管理とは性悪説です。すべての人間を疑うことから始めなければなりません。今回の事例に当てはめても、作業員を信じて園内で犯罪を起こされるよりは、作業員も疑って未然に犯罪を防ぐほうが良いのではないでしょうか。

2016.10.07