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事件

警察も行政も取り合ってくれなかった不適切保育

警察も行政も取り合ってくれなかった不適切保育

 保育士3人による虐待行為が明るみに出た静岡県裾野市公文名の私立「さくら保育園」(定員120人)が、10月に保育士たち職員に「園の機密事項などを漏えいしない」ことを求める誓約書を提出させていた。誓約書について、村田悠(はるかぜ)市長が「虐待の隠蔽(いんぺい)」と非難する一方、園は「守秘義務を守る一般的なもの」と否定し、主張は平行線をたどる。市と県による特別指導監査で、誓約書の趣旨も問われそうだ。

 市は11月30日の記者会見で誓約書の存在を公表し、その写しを翌日公開した。「業務中に知り得た園児、園内関係者の個人情報、資料、電子ファイル、園の機密事項などを第三者に漏えいしたりしないことを誓約する」といった内容。宛先は桜井利彦園長で、10月21~24日に職員に署名させていたという。  

 桜井園長は11月30日の毎日新聞の取材に「園児らの個人情報などを守るための一般的なもの」と説明。「『虐待を口外するな』と言うことではない。隠蔽のつもりは全くない。誤解だ」と述べた。  

 これに対し、村田市長は12月1日の報道陣の取材に「市には『不適切な保育の内容について口外しない旨の誓約書を書かされた』との相談があった。誓約書は実質的に隠蔽につながる」と怒りをあらわにした。  

 園は市の指導を受けた8月22日の時点で虐待を認めて、その3日後には市に調査報告書を提出している。10月になって改めて園が隠蔽に動く理由は乏しいように見えるが、市長は「(虐待が)公になる直前に書かせている。隠蔽の他の何物でもない」と主張している。

(12月3日 毎日新聞より抜粋)

 アイギスでは、静岡県の私立保育園の園児虐待事件の報道を受けて「不適切保育の対応の手引き」という45分間オンラインセミナーを12月9日に実施いたしました。今回は、職員にも聞かせたいという園長先生が多く録画配信のお申し込みが大変多くありました。それだけ今回の虐待での保育士逮捕は保育業界を揺るがすものになったのだと思います。

 実は、昔、アイギススタッフの子どもが通っていた保育園でも虐待疑惑が浮上していました。法人や行政に不適切保育が行われいると内部告発した保育士さんは「証拠がないなら事実ではないことでしょう」と言われ、取り合ってもらえませんでした。

 保護者に事情を話し、保護者が児童相談所に電話をしましたが、児童相談所は家庭で虐待を受けている子どもに関しての相談を承るところなので施設の子どもへの虐待は管轄外ですと言われました。警察に相談しても「証拠がないと動けない」とのことでした。その際に子どもを守れないとくやしい思いをし転園していったママ友をみてきました。

 今だったら、行政も警察もメディアも取り合ってくれたかもしれないと思うと残念な気持ちでなりません。昔被害にあっていた子も今回被害にあっていた子も同じ大切な子どもたちに変わりないわけですから。

 証拠がないと動けない、、、だから園児のカバンにボイスレコーダーを忍ばせる保護者がでてくるのかもしれません。

 ちなみにその園は、内部告発する職員が退職する際に静岡県の保育園と同じようなタイミングで誓約書を書かせています。今回静岡県の保育園の虐待事件が明るみになり、入職時ではなく、園にとって不都合な事実を口外してほしくない目的で誓約書を書かせたという心当たりのある園はヒヤヒヤしているかもしれません。

 しかし心当たりがなくてもヒヤヒヤするかもしれません。今は、全国の保育施設に子どもを預ける保護者が虐待について敏感になっています。園で虐待をしているつもりがなくても保護者から見たら虐待をされているように見えるかもしれません。

 45分間オンラインセミナーをご受講いたきました皆様には「園から逮捕者をださないためにきをつけるべきポイント」を解説いたしました。

 ご興味ある方は、録画配信の申し込みを承っておりますので、お問合せください。

2022.12.14