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12.12 アイギス無料会員ニュース 静岡県裾野市 虐待事件の別解説:園長が虐待通報を口止めするとどうなるのか

12.12 アイギス無料会員ニュース 静岡県裾野市 虐待事件の別解説:園長が虐待通報を口止めするとどうなるのか

 裾野市の園児虐待事件の別解説です。

 この事案では、園長が職員に園内で虐待行為が行われていたことは、外部に黙っていて欲しいと依頼し、土下座したという報道がなされています。
 これを市は、「犯人隠避」に当たるとみて、園長を刑事告発しようとしているというニュースです。
 刑事告発とは『犯罪の被害者や犯人でない第三者が警察官や検察官などに犯罪事実を申告し、犯罪者の処罰を求める意思表示のこと』で、国民としての当然の権利として認められています。

 犯人隠避とは、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者・拘禁中に逃走した者を隠避(犯人の発見、逮捕を妨げる行為のこと)させる犯罪です。
 刑法103条に規定されており、その刑事罰は3年以下の懲役または30万円以下の罰金です。
 これは、園長の「バレなければどうにかなる」という思いや、「黙っていればバレないだろう」という安直な思いがそのようにさせたのだと考えられます。

 
 職員が園児に対して不適切な保育以上のことを行っていた場合、園はすでに「負け」ています。
 問題は、どのように負けるかなのです。
 「園や職員のイメージへの被害を最小限に抑えるためにどのような行動をして、負けるか。」を考えなければなりません。
 それができないと、裾野市の事例みたいになるということです。

2022.12.12