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事件

虐待事件相次ぐ

虐待事件相次ぐ

副園長起訴の保育園 福岡県と宗像市が特別指導監査

 宗像市の認可保育園の副園長の女が、園児への傷害容疑で逮捕後、起訴されたことを受けて、福岡県と宗像市が近くこの園の特別監査に入ることになった。

 問題となっている保育園では、約9年前に60人以上の保育が辞めている。特別指導監査では、保育士の数が基準を満たしているかなど、児童福祉施設として適正に運営されているかが総合的に調査され、問題があれば改善が行政指導される。

 この保育園は、激しい口調で園児を怒るなど心理的虐待にあたる行為が確認されたため、3年前にも福岡県と宗像市による特別指導監査が行われている。

 保育園副園長の被告(41)は6月、当時6歳の子の頬をたたき、けがをさせた罪で、11日に起訴されている。(2019年11月12日 九州朝日放送)

 ここのところ、保育施設内での虐待事件がまた出てきました。鹿児島県でも、「発達障害だからって何をやってもいいんじゃないよ」と職員が言ったことで、保護者向け説明会が行われました。

 特に宗像市の虐待事件は、加害者が起訴されているので、大きく扱われています。

 今回のブログでは、この宗像市の事例における問題点について書いていこうと思います。

 いろいろな問題点がある中で、最大の問題点だと私どもが考えているのは、警察によってこの問題に終止符が打たれたことです。

 つまり、行政は何も機能しなかったということが最大の問題なのです。

 行政は、通常監査を施設に行うことによって、その施設が正常に運営されていることを確認します。もし、その中で不適切な点が出てきたら、指導、修正を施設側に求めます。

 この園は、ニュースで見ても、通常の園にくらべて異常だということがわかります。

 しかし、監査を担当している行政は、副園長を園から排除することも、園の運営者を代えることも、休園(廃園)にすることも、警察に告発することもしていません。

 ようするに黙認したわけです。(結果的にそうなっています)

 そして、火が大きく燃え盛ったところで、「そろそろ何かしないと、世間の目もあるしなー」ということで、今回、特別指導監査に踏み切りました。

 本当に行政は、誰かが犠牲になってからでしゃばってきます。

 そもそも職員の虐待行為などを早期に発見できる通常監査のやり方などを考えないのでしょうか。

 そろそろ、保育施設運営者にも一発レッドカードを行政が早めに出すよう心がけてほしいものです。

2019.11.15