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「前提」ってとても大切!

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生徒に「おまえ来たでマスク」三重県教委が40代教諭を文書訓告

 家族が新型コロナウイルス感染症の検査を受けた生徒に「おまえ来たでマスクするわ」と発言したとして、三重県教委は18日、県立高校の40代教諭を文書訓告にした。県教委は当初の会見で「教諭の発言は差別に当たらない」と説明したが、その後に撤回。「教員の発言は差別に当たる」と認めた。(2020年12月19日 伊勢新聞)

 このニュースで面白いのは教育委員会の会見です。「おまえ来たでマスクするわ」と言った発言は差別に当たるか、当たらないかを判断し、発言した教諭の処分を決めようとしたことです。

 ここで「前提」を考えなければなりません。前提として、発言が差別発言に該当するか、否か。ではなく、言ってもいいことなのか、悪いことなのか。というのが正しい前提なのではないでしょうか。

 そもそも教育委員会という組織は、すべての前提がおかしい組織だと私は考えています。

 その最たるものが、学校内で学生が自殺した場合に、「いじめ」があったか、否かを前提とした調査をします。ここでの前提は、「なぜ、学生は自ら命を絶たなければならなかったのか」ということだと思います。

 すべては、「自分たちの組織に過失はなかったことを明らかにする」ことが前提になっているのです。

 各学校に「いじめ」は存在しないことが前提。だから、発見や対応が遅れる。人間が集団を形成すれば、「いじめ」は存在することを前提にしなければなりません。

 前提が間違っていれば、問題の発見が遅れたり、対応が後手後手に回る可能性が高くなります。

 みなさんの組織でも前提が間違っているものはありませんか?

 どこにも行けない年末年始に探してみてはいかがでしょうか。私もそうしたいと思います。

2020.12.25