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新型コロナウイルス対策は国家的危機管理

新型コロナウイルス対策は国家的危機管理

 緊急事態宣言が出て約3週間経ちましたが、今もアイギスには全国の保育施設からさまざまな相談が寄せられます。

 新型コロナの最前線で働いているのは、医療関係者の方々だけではなく、保育関係者もそうなのです。

 新型コロナ対策で忘れてはならないのは、この危機管理は国主体で行われているということです。つまり、一企業や一事業所や一個人が考えても仕方がないということです。

 施設内に感染者が出たら、行政に報告し、その後の対応の指示を受け、その指示に従うということが基本的な対応です。勝手に休園にしたりすることはできません。

 施設内に感染者が出る前に施設が何かを事前に準備するようなことは必要ありません。すべて行政の指示に従えばいいのです。たとえ、それが間違っていたとしても従うしかないのです。

 今は、仮定の話としての施設内で感染者が出た場合のことを考えるよりも、目の前の保育に集中すべきです。誰もケアしてくれない新型コロナウイルス感染リスクの最前線で働いている保育現場の職員たちの心と体をケアすべきです。

 まもなく緊急事態宣言も延長されるでしょう。しかし、保育施設は基本的に開けたまま運営しなければならない状況は変わらないでしょう。

 保育現場は感染の恐怖と保育での疲労感に覆われると思います。日本全国の全保育施設をパチンコ店のように閉めれば、実質的に町はロックダウンされた状況になります。だから、真っ先に閉めるべきは保育施設だったのです。

 まだまだ新型コロナウイルスとの戦いは続きます。今、施設では何を優先して、何に時間と労力を使うのかを考えて、長期戦を勝ち抜いてください。何かあったら、何でもご相談ください。

2020.05.01