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お散歩が気持ちい季節になりますが、安全対策はできていますか?

お散歩が気持ちい季節になりますが、安全対策はできていますか?

 暖かい日が増えてきて、お散歩が気持ちいい季節になってきました。園児達もお散歩を楽しみにしていると思います。そのため、今回は園児の安全を守るためのお散歩の注意事項をまとめてみようと思います。

 まずは、園からお散歩に出かける時、園児が遊ぶ公園などに着いた時、公園などから園に戻る時、園に戻った時には必ず園児の人数確認をしてください。普段、園児の人数にあまり気を配らなくても、園児がいなくならないことに慣れてしまい、人数確認が十分にできていない、ということをよく耳にします。昨日までは何もなかったから、今日も何もないだろう、という都合の良い思い込みが大きな事故(園児の置き去り、抜け出し)につながってしまいます。

 次に、お散歩コースの安全を確認しておいてください。お散歩コースの危険な場所は事前に把握し、危険な場所を避けたり適切な対応をとるようにしてください。例えば、年度末になると増える工事現場の場合、深く溝が掘ってある現場なら安全な道に迂回するなどの対応です。

 また、園児はシャベルカーなどに興味を持ちます、そのため工事現場では園児が足をとめてしまいます。安全に工事現場を観察できるスペースが確保できないのであれば、工事現場を避けたお散歩コースを考える必要もあります。お散歩コースを当日、職員の思いつきで変更する場合、危険を事前に把握できないという大きなリスクを伴っていることを意識しておいてください。

 最後に、公園などで、職員は園児を見守れる適切な位置に居るようにしてください。公園では、事故が予想されるすべり台やブランコのまわりに職員が集中してしまい、職員の背後に園児が移動しても園児に反応していない職員を目にすることがあります。

 また、公園の出入り口の側に園児が近づいているにもかかわらず、職員が全く園児を意識していないという姿も目にすることがあります。仮に、園児が行っては行けないところを園児自身で判断できるようにするために見守っているならば、公園の出入り口付近に園児が近づいた場合、職員は公園の出入口を意識し続けなければいけませんが、そのような素振りも全くありませんでした。

 園児は公園で草にとまっているてんとう虫を見つけると1点に集まり、空を飛ぶ蝶を見つけると公園の隅々まで広がってしまうことがあります。このような園児の動きに合わせて、園児全員を見守るために職員の配置を変更する必要があります。園児は常に職員の目線の中にいるようにしてください。

 基本的なことですが、楽しいお散歩が悲劇の始まりにならないように再確認してみてください。

2019.03.20