事故・トラブル最前線

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最近気になること

年明けから現在までアイギスに寄せられた相談でもっとも多い相談・・・

年明けから現在までアイギスに寄せられた相談でもっとも多い相談・・・

 弊社には様々な相談事が全国の保育園や幼稚園のみなさまら寄せられます。年明けから現在までアイギスに寄せられた相談でもっとも多い相談は、「職員の退職」です。少量退職から大量退職まで幅広く相談はきておりますが、職員の退職で何をみなさんがこまっているのか、今回はお話したいと思います。みなさまが困って連絡してくることは、こんなに先生が辞めるということは、園内で何か起こっているのではないか、パワハラがあるのではないかと保護者が騒ぎ始めて、説明会を開いてほしいと言われているということです。

 これは、どこか一部の園で起きていることではなく、全国各地で発生しております。なぜ保護者が騒ぎ立てるのか、答えは簡単です。自分の子どもを預ける園で先生がどんどん辞めていったら、子どもを預けられなくなるのではないか、園内で何か起こっているのに子どもたちを安全に保育することができるのかなど不安に思ってしまうからです。その保護者の気持ちはわかりますが、保護者が騒ぎたてることにより、既存の先生達に動揺が走り、モチベーションが下がるほうが問題だと思います。

 保護者が騒ぐことによって事態を悪化させ、既存の先生たちが萎縮してしまえば、事故が起きる確率も高くなりますし、何より、騒げば騒ぐほど、マスコミも飛びつき、行政も動き、園運営が困難な状態になるかもしれません。そうなったときに、自分の子どもをその園に預けられなくなるかもしれないという覚悟を持って、保護者は騒ぐべきではないでしょうか。

 その覚悟を持っている保護者がいったい何人くらいいるのか謎です。

 しかし、騒ぐ保護者がでることにも理由があると思います。園側の対応が後手にまわっているからです。大量退職がわかっているのに保護者への周知がギリギリだったら保護者も心の準備ができません。

 そして、致し方ない事情で今年は退職者が多かったということもあると思います。なので、大量退職の事実で保護者が騒ぎたてるのではなく、日ごろの園の対応に不信感があったら、「やっぱり何かあるのかな、この園は・・・」と勘ぐりたくもなります。みなさまの園は日ごろから保護者の方と信頼関係を築けていますでしょうか。信頼関係が築けているのかどうか、職員の大量退職のときに問われるのかもしれません。

2019.02.25