人に見られていないからこそ

　私は研修に向かう際、レンタカーに乗る機会が数多くあります。私がよく利用するのはカーシェアリングです。カーシェアリングとは、登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するものです。車を借りる際も返す際もレンタカーの店員を介すことがないのが一般的です。そのため、私が乗車する前に、車を清掃する店員はいません。私の前に乗車したお客様が、自分が出したごみを片付けるシステムになっています。

　先日、私がカーシェアリングで利用した車は、前に乗車したお客様のゴミが散乱していました。食べ残しが入ったままのコンビニ弁当のゴミ、空き缶のゴミ。座席の背もたれの上部の枕状の部分のヘッドレストは外したままになっていました。

　前のお客様は、車の返却時間が迫っていて車内の片づけをする時間が無かったのかもしれません。ただ、私が車内の片付けにかかった時間は１分足らずです。このお客様は、自分の後に乗る人の気持ちを少しでも考えたのでしょうか？おそらく、ゴミを捨てるのが面倒、自分さえよければいい、はたまた、そもそも自分の後に乗る人の存在自体を一切考えなかったかもしれません。

　このように他人に配慮する気持ちがない人が、他人に信頼されるはずがありません。お互いに配慮することで、お互いが気持ち良い環境を作れるからです。もしかしたら、このお客様は、赤の他人には配慮しないけれども、自分の知り合いには配慮できる、と反論するかもしれません。しかし、一事が万事です。おそらく、このお客様は知り合いに配慮した気になっているだけで、配慮が足りないと知り合いは思っているのではないでしょうか。

　トイレの個室を如何に綺麗に使えるかで、その人の人となりがわかる。という話があります。人が見ていないからこそ、当たり前のことを当たり前にやる。簡単そうで難しいことです。

　新年を迎え、新年の抱負をまだ決めていない方は、人が見ていないからこそ当たり前のことを当たり前にやる。ということを心がけてみてはいかがでしょうか。