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2019年予測② 来年は「パワハラ」がテーマ

2019年予測② 来年は「パワハラ」がテーマ

 先週の続きです。来年は、パワハラがテーマになるという話をしていましたが、パワハラ対策が来年のテーマではありません。パワハラ過剰社会にどう立ち向かっていくか?がテーマです。

 最近、私どもの会社でも大きな企業からお仕事の問い合わせをいただきます。そこで、大企業の方々と面談する機会があるのですが、そこに同席している20代の方々のレベルがものすごく低いことに落胆します。

 たとえば、服装や身のこなしや言葉使い、話題提供力、話題展開力など、もっと先輩が注意すればいいのにということが盛りだくさんです。最初で最後の面談かもしれない私の目にそれだけ留まるのですから、普段接してらっしゃるお客様の目に余っているのは、火を見るよりも明らかでしょう。

 これは、何かといえばパワハラといって騒がれる風潮において、先輩の方が保身している結果です。若い方々は被害者といえるでしょう。私も元は大企業出身で、パワハラ、セクハラが毎日横行している会社生活でした。当時(1995年)は、それが当たり前でした。

 しかし、今は、文字通り、時代が違います。当時のようにやっていたら、1日で上司も左遷されます。下手すればクビです。そのような環境下で、先輩が後輩や新人にパワハラといわれる覚悟で、社会人としてのイロハを叩き込むはずがありません。

 なぜなら、先輩の方は、血のにじむような努力をして、現在の地位を手に入れています。それを後輩への指導がパワハラ疑いになっただけで、それを失います。そうであるならば、できないアホな新人は相手にせず、自滅して、自分の目の前からいなくなればいいし、新人時代から自分だけの努力によって、会社の中で出世してきたのであれば、その後輩とはビジネスライクに付き合えばいいわけです。

 つまり、上司や先輩の人生と後輩や新人の人生は、昔は一心同体でしたが、今はバラバラなのです。

 さて、来年のテーマへのまとめですが、このような状況で人材を育成することは可能なのでしょうか。おそらく、それは不可能でしょう。人は人が育てます。特に人に何かを教えているとき、人の面倒を見ているときに人は成長します。でも、現在はパワハラ過敏症によって、その人と人とのつながりが希薄になっています。

 私は、来年から、パワハラ問題に対応策を具体的に出せた組織のみが人材を育成し、伸びていくと考えています。パワハラ、セクハラ、働き方改革への取り組み方が間違っている組織は、例え大きくても崩壊の道をたどると思います。

 それぞれの問題の本質をとらえて、どう取り組んで行くべきか。を年末年始にボンヤリ考えてみてはいかがでしょうか。

2018.12.21