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問題は本質的な原因に対応しなければ解決しない No.2

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ブロック塀倒壊は施工不良が原因 第三者委

 今年6月の大阪北部地震で、大阪府高槻市の小学校のブロック塀が倒壊し、女子児童が死亡した事故で、第三者委員会は、ブロック塀内部の施工不良が倒壊の主な原因だと結論つけた。

 事故について第三者委員会は、ブロック塀を支える鉄筋の長さの不足など、ブロック塀内部の施工不良が最も大きな原因だと発表した。

 第三者委員会としては、鉄筋としての機能はなくなっていたと考えざるを得ないと結論づけた。

 一方で、適切な点検を行っていても、既存のブロック塀内部の安全確認を行うのは困難だとして、将来的には高槻市に限らず、全国すべてのブロック塀を撤去すべきだと提言した。(2018年10月29日 読売テレビ)

 前にも書いたことがありますが、事故などは本当の原因を追求して、対策を講じなければ同じような事故が発生してしまいます。

 今回の記事の場合、ブロック塀は全部撤去すべきという対策は、結論として間違っていないと思います。でも、女子児童が亡くなってしまった原因は、なぜ、安全性を欠いたブロック塀が学校という子どもが集まる施設に建設されたのか?ということです。

 この建設を許可し、責任を持って施工した方々がいるはずです。その方々に経緯を調査し、どのようにして、今回のような塀の建設にいたったのかを明らかにすべきです。

 そこを解決しておかなければ、子どもたちの集まる施設に違った形で危険な建造物がまた建設されてしまうことになります。そういった意味でも、もっと汎用性をもった結論にすべきだと思います。

 子どもたちが集う施設は、通常の施設よりも安全性は高くなければなりません。しかしながら、今回の記事のように小学校でも手抜き工事を施工した結果、犠牲者が出たわけです。

 今後も保育施設は増えると考えられますし、建て替えも随時行われるでしょう。その際には、建物の安全性を第一に考えた設計にしていただきたいと思います。

 これから保育施設を利用する予定の保護者のみなさまも施設利用の前に施設の安全性に興味を持って、見学時には質問などをしてみてください。建設物の安全性は目に見えない部分なので、質問などで可視化してください。

2018.11.09