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「壊れ窓理論」を知っていますか?

「壊れ窓理論」を知っていますか?

私は、東急ハンズがすごく好きです。愛しているといっても過言ではありません。最近の出来事で、もっともうれしかったことは、私の出身地である大分県の中心地、大分駅のリニューアルで駅ビルができ、そこにハンズが入ったことです。これで、里帰りしたときにも、ハンズに行ける環境が整ったので、最高にうれしかったです。

さて、今日は、そのハンズのお話です。

われわれの会社は、10月初旬に引越しをして、アイギス誕生の地でもある東京都中央区八丁堀に10年ぶりに引越して参りました。

新オフィスには、充実したキッチンがあるので、時間的に余裕があるときには、みんなでランチを作って、ミーティングしながら食べることにしました。

そこで、長年使っていた味噌汁などを飲むおわんを買い換えようと、ハンズに行ったわけです。そこで、会計時に担当してくださった方が、わざわざ緩衝材でおわんを包んでくださいました。(その姿形が掲載写真です)

私は緩衝材の意味をなさないように包んでくださった店員さんに落胆したのですが、この方は、東京大丸に入っているハンズの評判を落とすだろうな。ということは、もっと私を悲しめました。

危機管理の用語に「壊れ窓理論」というものがあります。これは、たくさん窓があるビルで、小さな窓でもそこのガラスが割れていて、それを放置したままにしておくと、いつか正面玄関の鍵をかけ忘れ、どうどうと泥棒などの被害にあってしまいますよ。という考え方です。

つまりは、壊れた窓を修繕しようとしない一人ひとりの無関心が集まって、集団心理を形成している怖さに警鐘を鳴らしているわけです。すべての人が細かいことも自分の問題だととらえて、問題発見をし、問題解決をするための行動をすれば、大きな問題は起きないということです。

話は戻って、東急ハンズ。

この店員さんの環境にはいくつか問題がありました。

①おわんを6つ買ったのですが、うまくいかないやり方で、17分もかけ、客を待たし、やり方も改善しなかったため、緩衝材の意味をなしていないまま、納品していること。

②うまく緩衝材で包めないのに、他の店員にヘルプを求めなかったこと。また、他の店員がこの店員に一声かけなかったこと。(ちなみに、レジブースには17分間の間に最大4名のレジにかかわっていない店員がいました)

③おわんを包んでくださった店員さんのネームプレートに研修中と赤い文字が書かれていたこと。(商品の梱包などは最低限の研修だと考えられるので、それを終えてから、店頭に出すべきだと思います)

④「お待たせして申し訳ございません」とも「少しお時間を頂戴しますので、店内をごらんになってお待ちください」とも一声がかからなかったこと。

⑤接客時に笑顔がまったく見えなかったこと。(むしろ、イライラした表情で終始、緩衝材と格闘なさっていました)

以上、たかだかおわんを包むだけでも、これだけの窓が壊れているわけです。これらの窓を一つずつ修繕していけば、この店員さんも、この売り場も、この店も絶対に良くなります。

みなさんの園でも、壊れ窓理論を組織作りに取り入れてみてはいかがでしょうか。

2018.10.26