事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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最近気になること

組織は頭から腐り、組織は内部崩壊しかしない。

組織は頭から腐り、組織は内部崩壊しかしない。

JPHD 経営権巡る争い「資金調達影響」信頼回復急ぐ

 「アスク」ブランドの保育園を運営するJPホールディングスの古川社長は10日、東京都内で開いた決算説明会で「混乱で信用が下がり、経営にもダメージが出ている」と述べ、旧経営陣と筆頭株主の対立騒動により銀行からの資金調達などに影響が出ていることを明らかにした。経営刷新で信頼回復を急ぐ。

 同社は現在、全国で保育園や学童クラブなど287施設を運営している。(2018年8月10日 毎日新聞)

 これまで私どもの会社はいくつものトラブル対応をしてまいりました。その中で、この法人はもう終わるかもしれないという場面に何回も出会ってまいりました。しかし、そんなに法人が壊れるということは実際にはあまりありません。

 でも、外部からの圧力で法人(組織)が壊れることがなくても、内部崩壊だと話は異なります。内部崩壊(つまりは自滅)の場合、時間も労力もそんなにかかりません。民主党も大塚家具も、古くは社会党もミートホープも船場吉兆もすべて内部崩壊です。

 JPホールディングスがこのような状況になっていては、今後の保育園の整備でこの会社に依頼する行政関係者は激減していくでしょう。それどころか、本体の資金繰りが悪化したら、287の施設が同時に運営不能になる可能性もあるわけです。そこが、株式会社が複数の保育施設を運営するデメリットなのです。

 さらに、組織は頭から腐ります。日本大学も日本ボクシング連盟もしかり。

 これらのトラブルへの対応策は、意外と簡単で、組織の上位にいる方々の倫理観をしっかり育てていくことです。自分の利益よりも、他人の利益を優先させる。自分の処遇よりも、部下の処遇を先に改善する。というような心がけだと組織はある程度磐石です。

 おととしの年末に博多でタクシーに乗ったとき、運転手さんが私に教えてくださいました。「最近の上司は、部下におごりもしないで、酒の席でも大きな顔をするでしょ。だから、部下は上司と分かれてタクシーに乗った瞬間、上司の悪口を言い始める。そりゃ、面倒も見てくれない上司なんて、ただのウザイ人ですからねー」と教えてくれました。

 上が下の面倒を見る。それは、至極、当たり前のことなのですが、今はできていない人がいる組織が多いのではないかと思います。上が下の面倒を見るのは、お金だけではなく、後輩の仕事を手伝ったり、後輩の仕事のミスを一緒になって挽回してあげたりということです。

 こういったことができていれば、内部告発で自分の地位を奪い取られることはないのではないでしょうか。

 組織は人と人のつながりです。他人のためにしていることは、実は、自分のためになっていることが多いのです。そのように考えて、仕事をしてみてはいかがでしょうか。

 あ!そういえば、日本ボクシング連盟の副会長も賞味期限切れおじさんでしたね。(詳しくは6月8日の当ブログ参照)

2018.08.17