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中華料理屋さんから危機管理

中華料理屋さんから危機管理

 先日、昼食でオフィスの側にある中華料理屋さんに行って、食事をして来ました。この中華料理屋さんは4階建ての細長い建物で、ワンフロアに約20名位の客を収容でき、厨房は1階にあり厨房から2階~4階を見ることはできないつくりとなっていました。ランチ時間という混雑する時間帯に、料理が50分ほど提供されず、怒って帰ってしまうお客さんが5名ほどいらっしゃいました。

 ランチ時間という混雑する時間帯でも、料理をしっかりと提供しているお店は数多くあります。では、なぜこのお店は、料理が提供できないという事態に陥ってしまったのでしょうか。

 大きな原因として考えられるのはこのお店の構造です。厨房から2階~4階を見ることができないため、厨房からどのお客さんに食事を提供したか確認できません。つまり、目で確認できないということです。そして、1階からでは、2階~4階にいる従業員に、声が届きません。つまり、声を掛け合って食事の提供状況を確認できないということです。このお店が仮に一階建てで、目での確認、声での確認ができていれば食事が提供されないという事態には陥らなかったでしょう。

 それだけ、目が届く、声が届くという事は重要なことなのです。このことは、保育の現場で園児達の行動を見守っている先生方にもいえます。園の構造上、目の届きづらい場所、声の届きづらい場所があるかもしれません。そのような場合、他の先生達と相談して、立ち位置を目の届きやすい場所に変更する、声の届きやすい場所に変更するなどの工夫が必要になります。

 目が届きづらい、声が届きづらいということは園児を安全に見守ることができないということを再確認していただき、このような異常がないか再度、見回してみてください。

2018.08.08