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新社会人応援月間 企画3「見習う先輩を間違わない」

新社会人応援月間 企画3「見習う先輩を間違わない」

コンラート・ローレンツ現象

 オーストリアの医師・動物行動学者のコンラート・ローレンツは、1973年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。彼が発見した現象は、おそらくみなさんもご存知のものだと思います。

 ガチョウのヒナが卵から生まれたときに初めに見たものを親と思い込み、その後ろをついて回るという現象です。これを彼は「刷り込み現象」と名づけました。この行動は生まれついてのもので、つまり「本能行動」であると考えられています。彼には、この現象が、まるでヒナの頭の中に一瞬の出来事が「印刷」されたかのようだとの意味で「刷り込み」と名づけました。

 新人のみなさんは、学生という卵を割って、社会に飛び出したわけですが、最初の職場の先輩方の働き方が自分の無意識のうちに頭の中に刷り込まれます。そして、それが一生付きまとって来ることになります。

 先輩の習慣や口ぐせは、周りの新人に自分が思っている以上に影響を及ぼすのです。だからこそ、新社会人のみなさんは、見習う先輩を間違わないでください。万が一間違ってしまうと、それが一生自分を苦しめることになります。

 人というものは安きに流れます。だから、自分自身に厳しく努力している先輩は、とっつきにくいかもしれません。でも、将来的に大きな財産となる習慣や口ぐせをみなさんにプレゼントしてくださるかも知れません。

 「若いうちの苦労は買ってでもせよ」といわれます。私もそのとおりだと思います。その理由は2つ。1つは、若いうちに苦労を買って、しんどい思いをしていないと、成長や向上をしないということ。もう1つは、若くなくなったら、苦労は買えないということ。能力的にも肉体的にも衰えてしまうからです。

 ぜひ、新社会人のみなさん。見習う先輩を間違えないでください。

2018.04.20