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保育士不足で休園決定 37人転園へ 横浜市

 横浜市鶴見区の私立保育園が、保育士不足で来年4月に休園することが、8日までに分かった。

 在籍園児のうち37人が今月末までの転園を余儀なくされ、市が調整して受け入れ先を確保。保育士不足による休園は市では異例という。

 市によると同園は2010年開園。0~5歳児クラスに計68人在籍している。園は今年1月、保育士不足を受け2018年度の新規入所を停止したいと市に要望。在園児の保育は続ける方針を伝えていた。

 しかし2月になり、新たに保育士3人が3月末で退職する意向を示した。必要な保育士を確保できない中で採用も思うように進まず、来年4月の休園を決めた。(2018年3月8日 時事通信社)

 横浜市で保育といえば、待機児童ゼロで日本中に知られた自治体です。しかし、ゼロにするために雨後のたけのこのように保育施設を建てて来ました。その結果、今回のような事態が発生したのでしょう。

 でも、今回のような事態は、これからの保育の現場では、日常的に発生する可能性があると思います。現在の日本社会は、未曾有の人口減少を迎えており、労働人口も各産業界に行き渡らなくなってきています。

 その中でも保育業界は離職率も高く、業界規模も拡大しているため、職員確保はますます難しくなるでしょう。

 厚生労働省が調べた「保育分野における人材不足の原因・理由」によると、保育士資格を有するハローワーク求職者のうち約半数は保育士としての就業を希望していません。

 保育士職への就業を希望しない理由で、就業継続に関する項目としては「責任の重さ・事故への不安」が40%で最も多くなっています。

 この項目への対応として、責任の重さは軽減することはできませんが、責任を取らなければならないような事態を避けることはできます。事故への不安を取り除くために対策を講じることもできます。

 3年くらい前までは、就業を希望しない理由の第1位は、給料の安さと休暇の取りづらさでした。それが、保育施設の事故対策に就業者の興味が以降しました。

 給料に関しては、国が予算を決めていることもあるので、園ができることは限られてきますが、事故対策は園独自で行うことが可能です。

 事故対策をすることによって、園児の安全性が高まり、求職者数も増え、行政からの信頼も高まれば、言うことなしだと思います。しかしながら、安全は一朝一夕ではできません。今後、保育業界では、事故対策をどのくらいしているかで施設格差がつくかもしれません。

2018.03.16