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保育士の争奪戦!!

保育士の争奪戦!!

 横浜市で今月、認可保育所の休園が決まり、新年度に3~5歳になる園児37人が転園を余儀なくされることになった。休園の理由は保育士の不足だ。

 保育士不足は都市圏を中心に深刻さを増している。厚生労働省によると、有効求人倍率(1月時点)は全国で3・38倍。東京や大阪の大都市圏では、それぞれ6・43倍、5・13倍と、6人の募集に1人しか応募がない状況だ。

 ある保育園では、独自の工夫で人材確保を進める保育園もある。定員20人の枠に80人の応募があった。理由は待遇のよさだ。連絡帳記入など手書きだった書類仕事をスマートフォンアプリの活用で効率化。室内の壁の飾り付けも、やる場所やらない場所を選別。保護者からの意見や要望も園ではなく本社で受け、職員が保育に専念できる環境を整えた。さらに、休日出勤や残業などの負担を解消するため週休3日制を導入する一方で、収入を重視する職員には副業を認め、同社で紹介もするという。

 資格を持っていても子育てなどの理由で働いていない「潜在保育士」の復職も人材確保の鍵だ。推計では約86万人(平成28年10月時点)に上っている。

 モチベーションを高めて離職を防ぐことも課題だ。「リクルートマーケティングパートナーズ」(中央区)で保育関連事業に携わる森脇潤一さんは「保育士が仕事にやりがいを感じ、社会に貢献していると実感できるようにすれば離職を減らせる」と指摘する。

 例えば、関東に14園を運営する「茶々保育園グループ」(埼玉県)では、保育士に名刺を持たせることで職業意識を高めている。森脇さんは「給与などだけでなく、保育士自身が専門職であることを理解し働き続けてもらうことが重要」と語る。また、そのためには、施設の掃除や書類作成などを外部に委託し、効率化することが有効と指摘し、「保育士の多忙感を軽減して、保育業務に集中できる環境を整える必要がある」と話した。

 給与額(月給)は22%の保育士が「15万~17万円未満」で最多。次いで「17万~19万円未満」と「19万~21万円未満」がともに18%だった。

 調査は昨年5月、ベビーシッターサービスを手がける「キッズライン」(東京都港区)と保育分野の人材紹介サービス会社「ウェルクス」(台東区)が共同で、保育士や保護者ら計159人を対象に実施した。(2018年3月14日産経新聞より抜粋)

 上記、記事を読んで保育士確保に向けて、各園がどうすれば保育士が集まってくれるのかと考えて工夫を凝らしていることがわかると思います。民間企業の調査によると、保育士の採用が難しい理由は「給料の安さ」が72%で最多。「勤務時間の長さ」(58%)や「人間関係の難しさ」(48%)、「保護者対応の大変さ」(42%)も大きな原因となっているということも調査ででています。保育士の採用が難しい理由の最多が「給与の安さ」になっているのであれば、そこを改善できたら一番いいのでしょうか、予算上そういうわけにもいきません。ということは、給与以外に勤務時間の長さや人間関係についてや保護者対応の大変さについて改善できることがないか考えてみてはいかがでしょうか。現実的に出来ることと出来ないこともあると思いますが、今回のような記事の調査結果を参考にしたり、他の園の取組みを聞いて参考にしたりとアイデアのヒントは隠れているかもしれません。

2018.03.19