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事故防止委員会ってな~に?

事故防止委員会ってな~に?

 みなさまは、事故防止委員会をご存知でしょうか?

 「事故防止委員会って何?」と思われた方、「知っているよ。」と思われた方、双方いらっしゃると思います。「事故防止委員会って何?」と思われた方は事故防止委員会を設置し園児の安全を守るために、「知っているよ」と思われ方はしっかりと自園で事故防止委員会が機能しているかをチェックするために、事故防止委員会について一緒に確認していきましょう。

 事故防止委員会は保育園等の内部に設置され定期的に開催される委員会です。保育園等で事故が発生した場合に、どのようにして事故が発生したのかを、園の関係者が分析して、同じような事故がおこらないように再発防止策を考えます。例えば、園児がうんていから落ちて骨折した、という事故が発生したのであれば、どうして園児がうんていから落ちてしまったのかを園の先生等が考え、今後は同じような事故が起きないようにうんていに園児が近づいたときには園児から目を離さないようにしよう等の再発防止策を考えます。

 そもそも、事故防止委員会が、どのようにして事故が発生したのかを分析するためには、どのような事故が園でおきたのかを把握する必要があります。そのためには、事故が発生したことを事故防止委員会に報告する仕組みが不可欠です。この報告するための仕組みが事故報告書です。事故防止委員会は事故の分析以外にも、ヒヤリハットの分析も行います。そのため、ヒヤリハットについても事故防止委員会に報告する仕組みが必要です。そのための仕組みがヒヤリハット報告書です。

 さらに、事故防止委員会が考えた再発防止策を、他の先生が知らなければ、また同じような事故が発生してしまいます。そうならないようにするために、事故防止委員会が考えた再発防止策を周知徹底する必要が生じます。そのため、プリントを配布する等の方法で他の先生に再発防止策を知らせます。このプリントをファイリングしておけば園オリジナルのマニュアルも出来てしまいます。

 まとめると、①事故防止委員会に事故・ヒヤリハットを報告して、②事故防止委員会が事故の再発防止策を考え、③再発防止策を周知徹底することで、園児の命や安全を守る仕組みです。この仕組みの中心にあるのが事故防止委員会なのです。この仕組みを各園がしっかりと取り入れることができれば同じような事故の発生頻度を格段に減らすことができます。このように、事故防止委員会は園児の安全を守るためには必要不可欠な委員会なのです。

 最後に大切なお話をいたします、実は事故防止委員会は既に内閣府令第39号第32条で設置が義務付けられています。事故防止委員会は園児の安全を守るためにも、法令を守るためにも、つまりコンプライアンス上も必要な委員会なのです。まだ、事故防止委員会を設置していないという園がございましたら、今回のブログを参考に事故防止委員会を設置してみてください。既に、事故防止委員を設置している園においては、しっかりと事故防止委員会が機能しているかを今一度ご確認くださいませ。

2017.11.22