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労働力確保には保育設備が必須の時代が来る!?

労働力確保には保育設備が必須の時代が来る!?

セブンイレブン 店員向け保育施設開設 東京・広島に相次ぎ

 コンビニエンスストア最大手のセブンーイレブン・ジャパンは10日、店員向けの保育施設を開設すると発表した。9~10月にかけて、東京都大田区と広島市の2カ所に開設し、順次、増やしていく計画。店員が働きやすい環境を整え、採用の拡大につなげる。

 セブンーイレブンの野田取締役は同日の記者会見で「採用は厳しい状況が続いており、加盟店支援策として働きやすい環境をつくっていく」と保育施設を導入する意義を強調した。

 保育施設はセブンーイレブン店舗の2階に設け、大田区は店員30人、広島市は19人。平日の午前8時から午後8時まで子どもを預かり、対象年齢は0~2歳。店で働く店員やオーナーのほか、地域の住民が利用できる枠も設ける。

 保育料金は未定だが、セブンーイレブンが費用を一部負担するなどで、「その地域の保育料金よりも安く設定したい」(同取締役)としている。

 急成長を続けてきたコンビニ業界にとって、人手の確保は共通の課題になっており、大手各社は対応を急いでいる。(2017年8月11日 産経新聞)

 フジサンケイビジネスアイが7月下旬から8月上旬にかけて主要企業121社を対象に実施したアンケートで、無回答を除くと36%の企業が人手不足を感じているという結果が出たそうです。

 私が思っているよりも速く、人口減少による労働力不足の波は産業界に押し寄せてきているみたいです。

 現在、待機児童の解消は「企業主導型保育事業」に内閣府は力を入れています。この制度を利用し、保育施設を整える企業も数多く出てきています。その背景には労働力不足が存在し、保育施設は労働力の確保の一助になるからです。

 近い将来、求人票には保育施設完備の欄ができるでしょう。そして、保育施設を完備している企業の方が、していない企業よりも人材獲得の可能性は広がります。

 これからは、「あなたの子どもの面倒は職場で見るので、この会社で働いてください。そうすれば、保育園の順番待ちに並ばなくていいですよ。」というのが当たり前の時代になるかもしれません。保護者は子どもの預け先と職場を同時に見つけ、企業は労働力を手にする。求人にかける費用を考えると、保育料を補助した方がコスト的にも安く上がる。保育内容を考えなければ、保護者にも企業にも良いことしかありません。

 問題は保育内容と安全をどのように担保するかです。保育は、子どもの暇つぶしではありません。子どもが保育園にいる時間帯は、将来にわたって必要となる人間としてのOS(基本的、中核的システムソフトウェア)をしっかりと身につける大切な時期です。

 待機児童の解消が進むことは喜ばしいことです。でも、子どもを預ける前に保護者の方々には、預け先をしっかりと選定していただきたいと思います。そのためには、預ける前に預け先の説明をじっくり聞いてください。そして、預けてからは、子育てのパートナーとして接してください。

2017.08.18