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保育士が考える"保育園問題"の一番の問題とは?

保育士が考える

保育士300名に聞く「保育園問題」(マクロミル調べ)

 株式会社マクロミルが保育士資格を持つ300名を対象に調査を行いました。そのなかで、「保育士が考える保育園問題の一番の問題とは何か?」という調査があります。

 その調査結果がを見てみると、以下のようになっています。

1.保育士の給与水準が低い(93.7%)

2.保育園で乳幼児の死亡事故が起きることがある(87.3%)

3.待機児童問題(85%)

 現場の保育士さんが保育現場にある問題の第2位として、乳幼児の死亡事故問題をあげています。

 この背景にあるのは、まず、報道だと考えられます。待機児童問題の解消策として、保育施設が増えてきました。それとともにマスコミが取り上げる保育業界の問題は、量から質へ変化します。マスコミがまず最初に問う保育施設の質は「安全」です。

 保育施設の安全を社会に問うマスコミの報道姿勢が確立しているため、保育現場で発生した事故やトラブルは全国ニュースで取り扱われます。それらのニュースを見るのは、保育施設を利用する保護者だけではなく、保育現場で働く職員の方々も目にします。

 これは、保育現場のリアルを理解するために悪いことではありません。ただ、事実をそのままの大きさで捉えられるか、どうかは、問題です。

 保育現場で発生する乳幼児の死亡事故には、防げるものと、防げないものがあります。防げるものには、予防策は存在しますし、防げないものには予防策は存在しません。つまり、意味のある事故防止策を適切に行うことが大切なのです。

 乳幼児の死亡事故について危機感を抱いている保育士が8割以上いる現状で、保育士不足を各保育施設は解消しなければなりません。給料に関する処遇改善は保育施設主導では、限界があります。でも、安全に関する処遇改善は、施設主導でできますし、保育士側のニーズもあります。保育士確保に施設の安全は、大きな武器になるはずです。

2017.07.21