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保護者との一筆問題とは・・・。

保護者との一筆問題とは・・・。

 保護者との一筆問題ってどういうこと?と思われた方も多いかもしれません。このテーマでアイギスでは、あいぎす通信冊子版を作成したことがあります。かれこれ7年前です。7年経った今でも「保護者との一筆問題」で悩まされている園長先生はいらっしゃるようです。

どのようなことで一筆問題がでてくるのか見てみましょう。

  1.  園でうちの子がケガをした件で、将来ケガが消えないかもしれないので、将来ケガが消えなかった場合は、その時の治療費を負担するという一筆を園で書いてほしい
  2. うちの子が毎日のようにお友達に噛み付かれて困っている。今後二度と噛み付かれないようにすると約束の書面を出して欲しい
  3. 子どもの既往症を事前に保護者が園に連絡していなくて園で何か起きた場合に園は責任を負いませんという書面を作成するので保護者に同意書をもらいたい
  4. 園で写真販売システムを導入することになったので保護者から同意書をもらいたい

 昔の保護者との一筆問題の相談といえば大体が「保護者から書面で一筆書いて欲しいと言われている。そもそも書いて問題はないのか?書くとしたらどのように書けばいいのか教えて欲しい」という相談を受けていました。しかし、最近では反対で「園側が保護者に一筆書かせたい」という相談がよく見受けられます。

 これもリスクを把握して園なりに回避したいと思う危機管理なのだろうと私は捉えています。しかし、当たり前のことを書面に残して保護者に署名捺印させるというのは、保護者の怒りを買う可能性が高いのであまりおすすめはしておりません。過度に事が起こる前に責任の所在をはっきりさせようとすることも保護者との信頼関係を崩してしまう一つの要因になってしまいます。

 事が起きた時に「園に責任は以前に説明していたようにありません」と言いたいのかもしれませんが、人と人が関わる中で園で何か問題が起きた時にまずは、責任がないと言ってしまうと角しか立ちません。

 そして責任といってもいくつか種類があります。どのような責任があるのかも考えて発言していく必要があります。

 どのような責任が存在するのかを把握しておけば保護者とのトラブルも慌てず対応できる一つのノウハウにできます。来週の月曜は、責任の種類についてブログで取り上げたいと思います。

2017.07.03