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【第9回】年金受給額と少子高齢化の関係【少子高齢化が進むともらえる年金額はどうなるの?】

【第9回】年金受給額と少子高齢化の関係【少子高齢化が進むともらえる年金額はどうなるの?】

 今回は、「ライフプラン」を設計するのに必要になる、知っているようで知らない知識の第9回目です。前回までに、老齢基礎年金や老齢厚生年金ついて連載をしてまいりましたが、みなさん、なぜ年金に関するブログをはじめたのか覚えていらっしゃいますか?

 それは、老後のための預金はいくら必要になるかを計算するためです。第2回目のブログで、老後の生活に必要になる金額は、男性約2644万円、女性約3673万円と説明いたしました。ここから「年金受給額」を差し引くと、老後のための預金はいくら必要になるかに答えることができるということです。

 では、実際に年金受給額を計算してみましょう。(※国民年金は65歳から満額受給をし、厚生年金保険は平成27年度の平均的な受給額を前提とします。)

 国民年金は、満額で年間78万100円もらうことができます。厚生年金保険は国民年金とは別に、平均して年間約108万1200円もらうことができます。つまり、1年間合計、186万1300円の年金をもらうことができるのです。

 厚生労働省によると、平均寿命は男性で約81歳、女性で約87歳です。そうすると、平均して年金をもらえる期間は、男性が16年間、女性が22年間ということになります。したがって、男性の平均年金受給額は約2978万円、女性の平均年金受給額は約4094万円ということになります。

 では、老後の生活に必要となる金額の男性約2644万円、女性約3673万円から平均年金受給額を差し引いてみましょう。男性-334万円、女性-421万円。なんと、年金でもらえる金額が老後の生活に必要になる金額を上回っています。年金代をしっかり支払っていれば老後に不安なし。老後のための預金は必要なし、というわけには、いきません。 

 なぜならば、今回説明した、いくら年金をもらえるのかは、社会情勢が現在のままだったら、という前提がついているからです。

 今後、確実に少子化は進みます。そして、高齢者は増えます。少子化が進み、高齢者が増えると年金の世代間扶養のバランスが崩れてしまいます。少子化が進むということは、年金代を支払っている世代が少なくなるということです。高齢者が増えるということは、年金をもらっている世代が増えるということです。ということは、年金を運営している者の目線で考えると、年金の財源(支払う人)は少なくなるにもかかわらず、年金として支払う金額(もらう人)は増えていくということです。そうなると、どんな方法を使って、崩れてしまう世代間扶養のバランスを調整するかわかりません。もしかしたら、今後年金の受給額が目減りするかもしれません。

 将来の公的年金について、少し不安が出てきたかたもいらっしゃるでしょう。でも、安心してください。私たちアイギスは、解決策を提示します!

 次回以降、不安な公的年金制度にどう立ち向かうのかの説明を始めます。

 では、次回以降も乞うご期待くださいませ。

2017.06.21