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人は見た目が100%?

人は見た目が100%?

 今クールの中で「人は見た目が100%」という題名がつけられているドラマがあります。表現の仕方1つとっても視聴者があれ?これいいの?とネットで問いかけると炎上し、ドラマの題名変更やCMの放送中止に追い込まれる世の中なので、このドラマの題名も誤解される可能性はあるかもしれません。

 しかし、人は見た目が100%というものは、あながちというかだいぶ間違っていないのかなと危機管理的にも思います。コミュニケーションの概念として「メラビアンの法則」というものが存在しています。第一印象は初めて会った時、最初の3~5秒で決まり、またその情報のほとんどが視覚情報だという考え方です。初対面の人物を認識する割合は、「見た目、表情、しぐさ、視線等」の視覚情報が55%。「声の質、話す速さ、声の大きさ、口調等」の視覚情報が38%。「言葉そのものの意味、話の内容等」の言語情報が7%といわれています。

 つまり、人間というのは視覚情報(目から入ってくる情報)、聴覚情報(耳から入ってくる情報)、言語情報(話の内容)の順でその人の印象を決めているのです。

 これは、人材育成や保護者対応にも当てはまることだと思います。人は情報をキャッチしやすい見た目でまず人を判断してしまうので、「だから身だしなみには気を付けようね、お化粧をしすぎも保育施設で働く職員としてふさわしくないけど、ノーメイクだと、今度は女性の社会人としての常識を問われてしまうから最低限のお化粧はしましょうね」などと、身だしなみについての指導を職員の方にすることができると思います。「なぜこの指導をされているのか?」という理由がわからない限り、人はなかなか動かないものです。

 保護者対応の際も見た目や表情など気を配っておくことにより、保護者に与える安心感なども変わってきます。保護者がなんらかのクレームを園に抱いていたとしても、身だしなみをしっかりしている職員の方が対応することによって「身なりがちゃんとして、受け答えもちゃんとする人だから、この人に話をしたら大丈夫かもれしない」と信頼してくれる可能性が高くなります。

 そんな単純なことで?と思われるかもしれませんが、人間の心理とは単純なものなのです。だからこそ、お母さんたちは、先生のちょっとした一言で傷ついたり、勇気をもらえたりしているのだと思います。そして、話し方や声のトーンなどよりもすぐに見た目は改善することができます。すぐに改善できるものからやっていき第一印象がよく保護者の方から思われたほうが自分にとっても得することなんだよと職員の方に教えて差し上げてください。

2017.05.01