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マスメディアは縦に攻める!

マスメディアは縦に攻める!

保育教諭数、基準満たず

 日向市の私立認定こども園「日向こども園」「日向南こども園」の2園が、国の定める保育教諭数の配置基準より少ない人数で運営されていることがわかった。認定こども園の認可権を持つ県は「看過できない」として、早急な改善を求めている。(宮崎日日新聞 2017年4月15日)

認可保育園 備品を検査後撤去

 2016年4月にオープンした認可保育園が、認可に必要な備品を一時的に持ち込み、検査後に撤去していたことがわかった。

 東京都は、大手社会福祉法人「どろんこ会」が運営する、東京・西東京市の「武蔵野どろんこ保育園」に対し、開園前の2016年1月、認可に必要な備品などの検査を行い、その際に、転落防止柵や0歳児の間仕切りの設置など、8点の不備を指摘した。

 その後、2016年2月には、都の指摘に沿って、転落防止柵を設置した写真などを添付した是正報告書が提出されたが、柵などの備品は、系列の保育園から借りたもので、報告書を提出したあと、4月の開園前に撤去されたという。

 東京都は、3月下旬に再検査に入り、是正を求めていて、「検査後に変更したなら、報告すべき。仮に報告のためだけに改善したなら問題」としている。

 これに対して、「どろんこ会」は、「偽装工作ではない」としている。(ホウドウキョク 2017年4月11日)

 私どもの仕事のひとつに事故発生後のマスコミ対応があります。ですから、日々のニュースチェックは欠かせないのですが、毎日、保育施設で起きた事故や不祥事のニュースを追っていると、マスメディアは縦に攻めるという習性があるということに気づきます。

 今回のブログの事例は、まさにそれを表しています。上記の2つの事例は、姫路市で起きた「わんずまざー保育園」の認可取り消しにおいて、さまざまな不祥事が監査によって発見されたことを受けて、マスコミが縦に攻めた結果、出てきたものです。

 ここで縦に攻めるカギとなるのは、「行政の監査によって、法人の不備が発見された事例」です。ということは、当分、このテーマに基づくトラブル探しが続くと考えられるので、監査によって施設の不備が発見されるようなトラブルには気をつけなければならない。ということになります。もちろん、見つからなければ良いということではありません。そういうことは、そもそもあってはならないものなのです。

 みなさんも日々のニュースを見ていて、「この手の記事が続くなあ」と思ったときには、その分野に関する意識を引き締めてください。マスコミは同類のトラブルを血眼で捜しているのです。

2017.04.28