事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

最近気になること

「顧客満足」より「従業員満足」が大切な意味

「顧客満足」より「従業員満足」が大切な意味

「お客様第一!お客様の声を聴き、サービス向上に努めます!」と掲げている企業はたくさんあると思います。保育施設でも「お子様のすこやかな成長と安全のために、そして保護者の方に信頼される園でありたい」などということは当たり前のように掲げていると思います。

 「お客様=保育施設利用者」を大切にするということはとても大切なことですが、企業も保育施設も忘れがちなことがあります。それは、やはりは働いている「従業員=職員の方々」です。何か自園でトラブルが起こったときは、外部対応のことばかり考えて、内部対応は二の次という園長先生は少なくありません。お客様あっての会社、利用者あっての保育施設という基本的な考え方を変える必要はありません。弊社も保育施設のみなさまのおかげで存続することができております。

 利用者の方々に信頼してもらえたり、安心してもらえる保育を提供するためには、まずは職員の方々を大切にすることが重要です。利用者である、保護者や園児に接しているのは職員の方々です。

 職員の方々が気持ちよく働いていなければいい接し方はできません。保育施設が職員を大切にするから、職員は保護者、園児を大切にすることができます。

 ここ最近、職員の方々の情報漏えい(SNSに業務上知り得た、保護者、園児、職場の人間関係の情報をアップしてしまう)の相談が大変目立ちます。なぜ職員の方々がそのようなことをしてしまうのか。最近では悪いことだとわかっているけどやっていたという職員さんもいらっしゃいました。そのような方々は、自分の仕事に誇りをもてず、自分の働く施設に対して愛着がもてなかったからなのかもしれません。「私はあなたを愛しています。」という気持ちで接すると子どもはその愛情を感じ、いろんなことに答えてくれようとします。これは園長先生なら日々実感されていることと思います。

 それと同じように職員の方々にも愛情を示していきましょう。自分が働く保育施設から自分は大切にされていると感じると職員さんが思ってくれたらSNSの問題も少しはおさまるかもしれません。

 そして何か園でトラブルが起こっても職員の方々を大切にして内部の信頼関係が構築されていれば、外部から壊されることはありません。組織が壊れるときは、外部要因ではなく内部要因です。

 みなさんの保育施設は、職員の方々が自分は大切にされていると実感できる施設でしょうか。

2017.03.20