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時代とともに変わる「安全」の基準

時代とともに変わる「安全」の基準

 年末にあった「アメトーーク 年末5時間SP」(テレビ朝日)の中で、「運動神経悪い芸人」というコーナーがあり、運動が苦手な芸人がプールに飛び込む場面を映し出すコーナーがありました。このコーナーを見ていて、私も「これは、明日、ネットで叩かれるな」と思いました。そして、それが実現します。

 アメトーーク! 浅いプールの飛び込みに「危険すぎる」の声 内田良(名古屋大学大学院教育発達科学研究科・准教授)というネット記事が1月2日の5:48に掲載されています。

 詳細はネット記事を参照していただきたいのですが、要するに水深が浅すぎたために、芸人さんの頭部がプールの底に激突しかけ、首の骨を折りかけるヒヤリとした映像になってしまったところが問題視されたのです。

 この出来事は、内田先生が指摘していることが正しいと思います。

 では、なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。アメトーークの中の「運動神経悪い芸人」は、人気があるコーナーです。この製作に関わるスタッフの方々が社会の動きにもアンテナを立て、安全なバラエティ番組作りをすることが重要なのです。

 内田先生を中心として、学校の体育では、柔道、人間ピラミッド、プールの飛び込みなどには、従来どおりにするのではなく、これまで以上に細心の注意を払って行わなければならないと、注意を喚起しています。そして、これは、社会の新たな常識になりつつあります。過去の事故事例を未来に生かすためには、社会の常識にしなければなりません。

 このような社会の動きがバラエティ番組制作会社には、欠けていたことが問題なのです。万が一、年末特番で死亡事故が起きていたら、番組は打ち切りになり、テレビ朝日は社会の厳しい目にさらされていたでしょう。

 安全を確保した上で、大衆を笑わせる。そして、その安全対策が目に見えないような演出というのが、バラエティ番組制作には必要不可欠なのではないでしょうか。それは、保育施設でも同じことが言えると思います。

2017.01.13