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最近気になること

盲導犬受け入れ拒否から考える法律のこと。

盲導犬受け入れ拒否から考える法律のこと。

 盲導犬を同伴した障害者の受け入れを、飲食店や公共施設、交通機関が拒むケースが宮城県内で後を絶たない。盲導犬の受け入れは2002年施行の身体障害者補助犬法で義務付けられ、今年4月には障害者差別解消法も施行されたが、抜本的な解決には至っていない。

 日本盲導犬協会仙台訓練センターによると、同協会の盲導犬を利用する県内の視覚障害者は15人で、受け入れ拒否の報告は15年が10件、今年は11月までに9件あった。金井政紀センター長は「報告が来るのは相当腹に据えかねたケース。実数は何倍もあるだろう」と説明する。

 拒否したのは飲食店がほぼ半分で、他にはホテル、医療機関、タクシー、スポーツ施設、神社と多岐にわたる。職業訓練校や自治体庁舎の食堂といった公の施設でもあった。

 医療機関を巡っては厚生労働省がホームページやパンフレットで「受け入れ義務がある」と呼び掛けるが、仙台市内の大規模な病院でも受診や見舞いの拒否が発生している。

 [身体障害者補助犬法、障害者差別解消法]補助犬法は盲導犬と介助犬、聴導犬の受け入れを、国や自治体、交通機関、不特定多数が利用する商業施設、病院、従業員50人以上の民間企業に義務付ける。解消法は障害者への不当なサービス拒否、制限を禁止。障害者の意思表明があった場合、社会的障壁を取り除くための合理的な配慮を公的機関、民間事業者に求める。

(河北新聞2016年12月3日)

 上記、記事を読んで障害者に対して差別をしていて可哀想だと思うかたもいらっしゃるかもしれませんが、問題はそこではないと思います。われわれ日本国民は、日本に住んでいる以上、法律を守る義務が課せられています。そして、それぞれの業種によっても細かい法律が定められています。そんな法律(決まり)があるなんて知らなった、新しくそんな法律(決まり)が制定されたなんて誰も教えてくれなかった、では済まされません。上記の記事も「盲導犬の受け入れ義務があるなんて知らなかった」が通用するわけがありません。法律を守る義務があるからこそ、我々は法律によって守られていることがたくさんあります。

 保育業界も子ども子育て支援新制度施行から一年たちますが、具体的な取り組みが浸透していないというのが現状のようです。例えば保護者の方にお配りする重要事項説明書にこんな記載が必要だなんて知らなかった、内閣府が出した事故防止及び事故発生時のガイドラインを参考に指針を整備するなんて知らなかったでは済まされないということです。

 職員の方で言えば、園と守秘義務契約を結んでいるのにも関わらず、もっと言うと園と守秘義務契約を結んでいなかったとっしても児童福祉法第十八条の二十二に「保育士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保育士でなくなった後においても、同様とする。」という決まりがあるので、外でペラペラ職場で知り得た情報を例え家族ですら漏らしてはならないということなのです。

 これは法律で定められていることです。こんな法律があるなんて知らなったで済まされる世の中ではありません。今一度、自分が働く業界の法律を見返してみてはいかがでしょうか。

 今は、ネットで検索すれば何でも調べることができます。ということは、保護者も何でもネットで調べることができるので「○○って決まり先生知らないんですか?それって法律違反ですよね」と言われかねません。

2016.12.05