事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

その他

アイギスのブログを読んでいただいているすべての方へ

アイギスのブログを読んでいただいているすべての方へ

 私は、5歳になる子どもを保育園に預けております。親としての立場と危機管理の仕事をしている立場で物事を見るように自然となっています。

 私の親としての立場のブログもいつも読んでるとお声掛けくださる先生や保護者の方もいらっしゃいます。ある意味、私は私生活での実体験をこのブログに載せているということになりますが、なぜそこまでするのかというと、我々の会社ができる前やできてからもたくさんの幼い命が亡くなっているからです。

 日頃の園児さんとの関わり、保護者への対応ひとつひとつの事が、小さくても大きくてもその積み重ねで重大事故に導かれるのか、軽症な事故で抑えられるか決まります。ひょっとしたら、「このブログに書いてあることうちの園でも起こっていることかもしれない」と思っていただき、体制を見直すだけでも保護者対応が先生たちの間で楽になることがあるかもしれません。

 この仕事を10年以上やっていると死亡事故にももちろん関わります。園児さんの死亡事故だけではなく、ときには職員さんの死にも直面することもあります。同じようなことが他の施設で起こってほしくはありません。親になってからは、子どもが通う保育園でも起こってほしくないと思うようになりました。

 我々は、よく保育現場に行きますが、我々が行く保育現場では子どもや先生の笑顔はありません。なぜなら事故現場に行くからです。我々は、そこでの経験をどんな形にしろ他の施設の方々に還元しなくてはならないと思っております。幼い命が犠牲になり、二度と同じような事故が起こってほしくないからです。

 死亡事故は、その時の一瞬の先生の判断ミスで起こるというわけでもありません。日頃からの園の風土やしくみや能力など様々な要因が複数存在します。「○○先生が子どもを見ていなかったら」という単純な話ではないのです。

 物事を都合のいいようにだけ考えたり、その場を取り繕ったりしていると日頃からそのような風土ができあがってしまいます。そして、そのようなことを管理者がしていたら、下の人間もそれでいいのだと悪い方向に導かれてしまいます。そしてそのような姿勢の管理者を下の人間は心から信頼し、共に働くことができると思うのでしょうか。

 事故を起こす施設かどうかは、日頃の風土やしくみや能力ですでにきまっているのではないかと思います。悲劇を繰り返さないためにも、ここでの発信を続けていくことがアイギスとしての使命だと思っております。

2020.03.23