事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

その他

仕事に私情は禁物

仕事に私情は禁物

 私は約8年ほど前に、ディズニーシーで1年間だけキャストを経験したことがあります。「ディズニーの教え方」や「ディズニーのホスピタリティ」という本が世の中にあるように、ディズニーではさまざまなことを学びました。


 皆さんも一度は聞いたことがあるんじゃないかなと思うパーク運営の行動基準「4つの鍵:SCSE」(Safety...安全、Courtesy...礼儀正しさ、Show...ショー、Efficiency...効率の頭文字をとったもの)、この中で私が教えられて1番印象に残っているものは、「Show」の部分です。


 パーク内のあらゆるものが、テーマショーという観点から考えられ、構成されている東京ディズニーリゾートでは、働くキャストもショーの一部であるから、自分の役柄にあったコスチュームを着用し、身だしなみをきちんと整えましょう、というものだったのですが、コスチュームや身だしなみ(メーク)は当たり前、それ以上に気持ちの切り替えをしっかりするように言われていました。例えば、プライベートで嫌なこと(友達や家族とのケンカや失恋など)があったとき、心の中がモヤモヤしていると思います。そんなときでもそのモヤモヤはゲストには関係ありません。期待を持って、楽しみにして、東京ディズニーリゾートを訪れるゲストのために、「ショーは毎日が初演」の気持ちを忘れずに、パーク内ではショーを演じましょう、ということでした。


 私は今でもものすごくプライベートに左右される人(それこそ仕事を休みたくなるくらい)なのですが、このときの教えがあり、あまりそういった素振りを見せずに仕事ができていると(自分では勝手に)思っています。保育施設で働く方々も「演じる」というと語弊があるかもしれませんが、嫌なことやムカつくこと、悲しいことがあった際、演じなければいけないときがあると思います。たまに不機嫌を思いっきり前面にだす方や人に当たっちゃう方もいらっしゃいますが、仕事において悪循環しか招かないと思いますので、気持ちを切り替えてみてはいかがでしょうか。ただし、体調不良は別ものです。辛いときは無理せず我慢せず休むことが大事だと思います。

2020.01.10