事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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どうしても職員を苦情対応者にしたい園長先生。

どうしても職員を苦情対応者にしたい園長先生。

 アイギスでは1日に様々な全国の保育園や幼稚園の先生方から相談の電話がかかってきます。園長先生から相談があった場合や主として現在の問題に対して判断も一任されている主任クラスの先生であれば、話はスムーズに進みます。なぜかというと決裁者と話をしたら、今回の問題を園としてどのような方針で対応していくのかという考えを聞くことができ、園の方針に応じてこちらもアドバイス内容が明確になっていくからです。

 しかし、園の方針も明確にしておらず、伝書鳩のように他人事として電話をしてくる職員さんがいらっしゃいます。その職員さんも「園長に聞くように言われているから電話をしている」とおっしゃられているので、園としての考えを詳しく聞こうにも電話越しの先生はそこまでわからないと言い、なかなかアドバイスが進まないということもあります。

 最終的には、園長先生に代わっていただき対応することもありますが、すべて職員に任せているからと電話を代わってくださらない園長先生もいらっしゃいます。すべて任せているということは、園としての判断も任せているということになります。しかし、任せられた職員さんもそんな重大な責任を負えるはずもなく、電話しろといわれたから電話しているという捉え方では、自分で考えるなんてことは到底できません。

 なぜ今回の問題が起きてしまって、現在と将来どのような対策をとらなくてはならないのか、ぼんやりでもなんとなくでもかまいません。

 園長先生の考えやこうしたいと思っているなどお聞かせいただかないと前には進みません。

 どうしても職員の方を苦情対応者にしたい園長先生は、まずは起こっている問題について園としてどのように対応したいと思っているのか職員の方に伝えていただいてから、ご相談いただければ、職員の方は園の考えも理解でき、アイギスへ相談するときもしやすいのではないかと思います。

2019.10.07