【第8回】国民年金と厚生年金の違いって?【2階建ての年金システム】
今回は、「ライフプラン」を設計するのに必要になる、知っているようで知らない知識の第8回目です。
今回で年金のお話が始まって6回目です。前回まで、2回にわたって公的年金である国民年金の老齢、つまり原則として65歳以上で受給される老齢基礎年金について説明してきました。今回は、こちらも公的年金である厚生年金保険の老齢による受給を説明していきます。国民年金に関しましては、ぜひバックナンバーをご確認ください。
公的年金である厚生年金保険の老齢による受給を老齢厚生年金といいます。老齢厚生年金は、収入によってもらえる金額が異なります。また、世代によって仕組み自体が微妙に異なります。そのため、老齢厚生年金の大きな枠組みの説明をしていきます。
老齢「厚生」年金は、第6回(前々回)で説明した、老齢「基礎」年金をもらうことができる人であれば、原則として65歳からもらうことができます。老齢基礎年金をもらうことができる人は25年以上年金代を支払った人でした。25年未満しか年金代を支払っていない人でも老齢基礎年金をもらうことができる例外もありました。厚生年金保険の老齢厚生年金をもらえるかどうかは、厚生年金の加入期間が基本的に1カ月以上、つまり、簡単に言うと会社員や公務員として1カ月以上勤めたことがあるかどうかと国民保険の老齢基礎年金がもらえるかどうかで判断されるのです。
では、老齢厚生年金は老齢基礎年金とは別にいくらもらえるのでしょうか。答えは、世代や収入によって異なるということになります。参考までに、厚生労働省の発表によると、平成27年度では、老齢基礎年金とは別に老齢厚生年金は、平均して年間約108万1200円もらうことができているようです。
また、老齢厚生年金は老齢基礎年金と同様に、年金を受け取る時期を早めたり、遅らせたりすることでもらえる金額が変わってきます。どのくらい変わるのかというのも老齢基礎年金と同様です。受け取りを遅らせた月数×0.7%分年間でもらえる金額が増加します。受け取りを早めた月数×0.5%分年間でもらえる金額が減少してしまいます。詳しい説明は第7回(前回)をご確認ください。
今回は、老齢厚生年金について説明いたしました。
次回以降も、乞うご期待くださいませ。
バックナンバーはコチラから
【第1回】将来への見通しは立っていますか?【「ライフプラン」ってなんだろう?】
【第2回】老後に必要な生活費っていくら?【ライフプランは終わりから】
【第3回】知っているようで知らない年金の話【年金と保険って似てる?】
【第4回】あなたがもらえるのは何年金?【国民年金と厚生年金】
【第5回】年金がもらえるのはどんな時?【老齢給付だけではありません】