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【第7回】今からでも年金を多くもらえる方法があるって本当?【年金はいつから支給される?】

【第7回】今からでも年金を多くもらえる方法があるって本当?【年金はいつから支給される?】

 今回は、「ライフプラン」を設計するのに必要になる、知っているようで知らない知識の第7回目です。今回で年金のお話が始まって5回目です。

 今回のブログでは、老齢基礎年金(国民年金の老齢による受給)を多くもらう技の説明をします。年金のお話になって、回数を重ねてきたため、説明が少し複雑になってしまいますができるだけわかりやすく説明いたします。分らないことは是非バックナンバーをご確認ください。

 老齢基礎年金を多くもらう技は2つあります。1つ目は年金代を20歳から欠かさずに支払い続け、今後も年金代を支払い続ける予定の方は使うことができない方法です。なぜならば、1つ目の技は年金代を支払わなかった歳月があり老齢基礎年金を満額でもらえない人が、満額、または少しでも満額に近い額をもらうための技だからです。前回説明したように、20歳から60歳まで欠かさずに年金代を支払い続けている人は、老齢基礎年金を満額で年間780,100円受け取ることができます。そして、年金代を支払わなかった歳月があれば、その分受け取れる年金額が減ります。年金代を支払わない歳月があるから受け取れる年金額が減るのであれば、後から支払いなおせば受け取れる年金額を減らす必要はありません。この後から年金代を支払いなおすことを追納といいます。ただし、無制限に追納を許してしまうと、毎月年金代を支払っている人との公平性を欠くことになります。また、いつ支払っても良いなら後で支払おうと思って、いざ支払おうと思ったときには膨大な額になっていて支払えないということも考えられます。そのため、追納は2年以内の分しかできないというルールがあります。

 ただし、朗報です!!

 平成30年9月までは5年分の追納ができます。また、前回説明した、所得が一定以下(平成29年度においては、原則として118万円以下)の学生のように、年金代の支払いを免除・猶予された人は10年分追納ができます。年金代を支払い忘れている方、老齢基礎年金を多くもらうために追納してみてはいかがですか?

 問い合わせ先は日本年金機構(03-6700-1165)です。

 老齢基礎年金を多くもらう技の2つ目は老齢基礎年金を満額もらえる方もそうでない方も使える技です。老齢基礎年金は65歳からもらえるのが原則ですが、老齢基礎年金の受け取りを65歳よりも遅くらせれば(ただし70歳までしか遅らせることはできません)、遅らせた分だけ年間で受け取れる老齢基礎年金が増えます。どのくらい増えるのかというと受け取りを遅らせた月数×0.7%分年間でもらえる金額が増加します。70歳まで受け取りを遅らせた場合、5×12=60カ月受け取りを遅らせているため、60×0.7%=42%分年間で受け取れる年金が増えます。大げさに言ってしまえば約2倍です。ただし、この技は逆の側面ももっています。老齢基礎年金を65歳よりも早く受け取りを開始した場合(こちらも60歳までしか早めることはできません)受け取りを早めた月数×0.5%分年間でもらえる金額が減少してしまいます。60歳で老齢基礎年金を受け取り始めた場合、年間で受け取れる老齢基礎年金は30%も減額してしまいます。人生それぞれ人それぞれ自分にあった年金の受け取り方をしましょう。

 今回は、老齢基礎年金を多くもらう技を説明いたしました。

 次回以降も、乞うご期待くださいませ。

バックナンバーはコチラから

【第1回】将来への見通しは立っていますか?【「ライフプラン」ってなんだろう?】

【第2回】老後に必要な生活費っていくら?【ライフプランは終わりから】

【第3回】知っているようで知らない年金の話【年金と保険って似てる?】

【第4回】あなたがもらえるのは何年金?【国民年金と厚生年金】

【第5回】年金がもらえるのはどんな時?【老齢給付だけではありません】

【第6回】年金は年間いくらもらえる?【年金支給額を計算してみよう】

2017.06.07