事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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保護者の期待。

保護者の期待。

 保育園の先生は、いつも変わらず笑顔で挨拶してくれることが当たり前。園に提出するものを忘れても「いいですよ、お忙しいですもんね」と言ってくれることが当たり前。と保護者は思っているものだと思います。

 それは、保護者が保育園に感じている当たり前の期待なので、無意識の期待です。その期待に対してズレが生じてくるとクレームへとつながっていきます。その保護者の期待を作り上げているのは、日々の保育士さんたちの保護者への対応です。だからこそ、保育園で働くみなさまに伝えたいことは、保護者とはほどよく関わる程度でいいということです。過剰に笑顔を振りまいたり、高い声で話す必要はありません。普通の対応でいいのです。

 私は、危機管理の専門会社アイギスの従業員であるとともに、2歳児のお母さんでもあるので自分の子どもが通う保育園の園長先生と保護者として関わる機会があります。先日、園長先生と挨拶するときに気持ちがザワッとする出来事がありました。GWと有休を利用して実家に帰省しており、平日に保育園をおやすみしていました。

 ちょうど東京に戻ってきた日にお散歩をしている園長先生と園児たちを見かけました。自分の子どもに「お友達がお散歩しているから挨拶して帰ろう」と声をかけ、園長先生たちに近づきました。「こんにちは、今帰ってきました。明日からも宜しくお願いします。」と先生たちに声をかけたら、園長先生だけいつもよりそっけない挨拶をされたように感じました。

 0歳児さんを抱えていて先に園に戻らなければならない状況のように見えたので忙しかったのだろうと思いましたが、園長先生はいつもとびきりの笑顔で挨拶してくれるので、とびきりの笑顔で挨拶してくれるだろうと無意識に思っていたがために気持ちがザワッとしてしまいました。

 一応保育園の危機管理の専門会社に勤めているので、なぜザワッとしたのか私は考えますが、他の保護者の方はそこまで考えないと思います。ザワッとの積み重ねがクレームになるくらいなら、日頃から無理をせずに保護者の方と関わったほうがお互いにとってハッピーなのかもしれません。

2017.05.22