アイギスブログゼミナール 第4回 「従業員満足度」
ルミネ12店 閉店早めます 人手不足で現場から要望
ファッションビルのルミネは8日、全体の8割近くの店舗で4月から閉店時間を原則30分前倒しすると明らかにした。テナントの従業員の労働環境を改善し、人手不足のなかでも従業員をつなぎとめることを狙う。
対象は全16店中、JR新宿駅前のルミネ新宿やニュウマン、ルミネ有楽町など12店。ルミネ新宿では閉店時間を午後10時から午後9時半に早める。客数の落ち込みを防ぐため、土日祝日は開店時間を午前10時半に30分前倒しする。
人手不足のため、一部のテナントから営業時間の短縮を求める要望が出ていたという。「労働需給の逼迫で新規の採用が難しくなるなか、従業員のやる気を保つには労働環境の改善が必要と判断した」(広報)という。
ルミネは20~30代の働く女性が主な客層。平日は、夕方以降で最も客が多い午後6~7時に開店していれば、業績に影響はないとみている。2015年2月から、一部店舗を除いて毎年2月と8月に1日ずつ休館日を設けているが、営業時間の短縮をさらに進める。(朝日新聞デジタル 2017年3月8日)
日本の人口減少は、労働可能人口も減少させます。そして、それはすでに顕在化し始めました。その例がこのルミネの事例です。企業が確保した数少ない労働者を労働者側に立って、処遇や労働環境を改善しながら、気持ちよく働いていただくという時代の始まりなのです。
これまでは、企業が売上を上げるための指標として重要視していたものの1つに顧客満足度(CS)があります。これに加え、これからは従業員満足度(ES)という指標が重要になると考えられます。
ただでさえ人手不足の保育業界では、他業界に比べて従業員満足度の向上に努めていかなければ、労働力の確保はより困難を極めるでしょう。
しかし、労働環境の向上や処遇改善は、一朝一夕ではできません。保育士のキャリアパスも始まり、近いうちに同一労働同一賃金への働きかけも始まるでしょう。
社会では電通過労自殺事故以来、残業時間の管理、残業代未払いなどに対する企業の取り組み方に関心が集まっています。もし、そういったことに対する取り組みが甘かったら、すぐにブラック企業の烙印を押され、職員の一斉離職という問題にも発展する可能性が生まれます。もちろん、保護者の信頼も失うでしょう。
労務管理が今年の大きなテーマのひとつになることは確実です。早めの取り組みをみなさんの施設でも始めてください。