事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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事故

プールの季節到来です。

プールの季節到来です。

 九州地方にある保育園では、もう、今年のプール活動が始まったところもあるようです。

 プール活動が始まったということは、プールの事故が起こってもおかしくないシーズンに突入したということです。

 先月24日、消費者庁から「教育・保育施設等におけるプール活動・水遊びに関する実態調査」(平成23年7月11日に神奈川県の幼稚園で発生したプール事故に関する意見のフォローアップ)というレポートが出ました。

 その内容は、全国にある幼稚園、保育所、認定こども園に調査票を配布して調査した結果、5000施設に配布して、2712施設から回答を受けて、取りまとめたものです。

 調査の趣旨は、レポートの題名にもありますように平成23年に神奈川県の幼稚園で起きたプール事故の後、行政各所がさまざまなプールの安全対策を講じてきたのですが、それらの対策がどの程度、現場に浸透しているのかということです。

 消費者庁が浸透していてほしいと考える対策は、5項目あります。

 ①監視者が監視に専念し、監視体制に空白が生じないようにすること

 ②監視のポイントや事故の未然防止に関する教育

 ③緊急事態への備え及び対応

 ④事故やヒヤリハット情報の共有、蓄積

 ⑤ガイドライン及び通知の周知徹底

 項目別に集計結果は出ているので、詳細をお知りになりたい方は、消費者庁のHPをご参照ください。

 項目別にデコボコはありますが、約20~30%の施設が5項目について実施していないという結果が出ています。

 この結果が示していることは、プール実施時に園児の安全が確保できないままプール活動をしているということです。さらに、プール活動に関わっている職員自体も危険にさらしているということにもなります。

 保育施設に対して、プール活動の安全みたいに具体的に公的機関が求めているのは、そんなに多くありません。そういった状況にも関わらず、それすら実施できていない保育施設は、ほぼ意図的に事故を起こしているといっても過言ではないでしょう。

 これから、本格的にプール活動が始まる前に、国が求めている安全対策くらいは完璧に実施したほうが良いと思います。保育施設に子どもを預けている保護者の方も不安ならば施設に確認してみてください。

2018.05.18