事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
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事故

近隣で火災発生、そのとき保育園は。

近隣で火災発生、そのとき保育園は。

 13日午前、福岡県篠栗町の住宅密集地で火事があり、火は午後1時半現在も周辺の少なくとも4棟の建物に燃え広がっている。13日午前11時ごろ、福岡県篠栗町篠栗の製麺工場兼住宅で、「爆発音がして煙が上がっている」と近所の人から消防に通報があった。
 

 警察によると現場周辺は住宅と酒店などの商店が密集している地域で、火は少なくとも4棟の建物に燃え広がっているという。いまのところケガ人の情報は入っていない。近くには保育園があり、園児など約90人が近くの体育館に避難したほか、小学校でも児童が学校の体育館に避難したという。(2018年4月13日 日テレNEWS23)

 ニュース動画では、慌てた顔で複数のりバギーで園児たちを避難させる保育士さんたちの映像が映っていました。保育園の避難訓練といえば、給食室や調乳室から出火しましたという理由でよく実施されているとこをみます。中には、近隣の住宅から出火したという想定で避難訓練を実施しているところもあると思いますが、近隣の住宅から出火していた場合、どの時点で避難するという基準は決まっているでしょうか。

 火が園までうつりそうだと認識したときなのか?煙が園まできたときか?異常なことが起こっていても人はすぐにその異常なことを認識できずに平静を装います。これを専門用語で「正常性のバイアス」と言います。わかりやすくいうと、自分が道端で転んで足が痛くても、痛がる姿をまわりに見られるのが恥ずかしいから平静を装うといった感じです。なので、火事が起こっていても、地震が起きても自分だけあわてふためくのは恥ずかしいという感覚が無意識の中に人間の中には存在しています。

 だからこそ、ある程度の基準が必要です。基準通りにやればいいとうわけではありません。災害時などはケースバイケースのときのほうが多いでしょう。しかし基準があればケースバイケースで判断をしなければならないときの参考にはなると思います。

 今回の保育園は、日ごろの避難訓練のおかげなのかすすをかぶる子がいたもののケガ人はおらず、みな避難することができたそうです。火事のことを知った保護者達は心配でならなかったと思います。今回の火事でどれくらいの被害が園舎にあったかわかりませんが、保護者たちは自分の子どもを助けてくれた保育士さんたちに感謝をし、明日からの保育も協力をしてくださることと思います。

2018.04.16