事故・トラブル最前線

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事故

死亡事故が発生いたしました。

死亡事故が発生いたしました。

鹿児島・認可外保育所 7カ月女児が就寝中に死亡

 鹿児島市の認可外保育施設「ファミリーサポートピンポンパン」で4月、預かり中の生後7カ月の女児が就寝中に死亡していたことが26日、市などへの取材で分かった。当時は園長1人しか職員がおらず、国の基準に違反した状態だった。鹿児島県警が司法解剖して死因を調べている。

 市などによると4月25日午後10時半ごろ、ベッドで寝ていた女児が心停止の状態になっているのを園長が発見。女児は病院に搬送されたが、26日未明に死亡が確認された。県警などによると、目立った外傷はなかったという。

 国の指導監査基準によると、認可外保育施設では原則2人以上の職員を配置するよう定めているが、当時は女児を含む0~5歳児6人を園長1人で世話していたという。市が昨年10月に立ち入り調査した際は職員配置に問題はなかったといい、今後詳しい状況を調べる。

 市は4月27日、職員配置を是正するよう指導した。施設は今月31日に廃止するという。(2017年5月26日 毎日新聞)

 昨年の死亡事故も13人のうち、10人が睡眠中でした。今回の事故も睡眠中に発生しています。この事故でも死亡した女児を県警が司法解剖に回していますが、統計的に「原因不明」という結論が出ると予想されます。

 そうなると、問題は「どのように睡眠中に見守っていたか」が問われることになります。①配置、②記録、③対応の3点が重点的に問われることになるでしょう。

今回の事例に照らし合わせると、①配置は、園長1人に対して園児6人ですから、論外です。

②記録は、あったか、なかったか。さらに、その記録の信憑性が問われます。最近、見守りの時間が短ければ良いという風潮がありますが、実際に現場で再現して、できなければ、虚偽の記録を取っていたということになり、記録自体が無意味になります。

③対応は、園児に異常を発見してから、どのように行動したかが問われます。

 おそらく、この施設では普段から人員配置がギリギリで回らなかったことから、今回のことで廃園を決断したのではないかと思いますが、このような施設は日本中にまだまだ点在しているのではないでしょうか。

 今回のようなことは、今に始まったことではなく、何年も同じことが繰り返されているので、氷山の一角ととらえて、根本的な対応が制度的に始まることを望んでいます。

2017.06.02