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事故

年明け早々 うつぶせ寝で園児が死亡しています。

年明け早々 うつぶせ寝で園児が死亡しています。

高知 うつぶせ寝 認可外保育施設で生後9カ月女児が死亡

 高知市の認可外保育施設「おひさま24時間託児所」で、うつぶせで寝ていた生後9カ月の女児が心肺停止状態になり、その後死亡していたことが14日、分かった。市は施設の安全管理状況などを調べている。

 市保育幼稚園課によると、11日午前6時45分ごろ、母親が女児を施設に預け、女児は同7時半ごろにうつぶせで眠り始めた。約30分後、保育士の資格を持つ女性施設長が、女児が呼吸をしていないことに気づいた。女児は市内の病院に搬送されたが、翌12日午後6時半ごろに死亡した。高知県警高知署が司法解剖をしたが、死因は特定できなかった。

 市によると、施設は昨年4月に開設され、事故当時、施設には女児と施設長の2人しかいなかった。施設長は市への聞き取りに「当日の予約状況を調べるため、インターネットを確認していて目を離していた」と話しているという。(毎日新聞 2017年1月14日)

 平成28年3月31日に内閣府より出された「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」【事故防止のための取組み】の中では、窒息リスクの除去の方法として、「医学的な理由で医師からうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、乳児の顔が見える仰向けに寝かせることが重要。何よりも一人にしないこと、寝かせ方に配慮を行うこと、安全な睡眠環境を整えることは、窒息や誤飲、けがなどの事故を未然に防ぐことにつながる」としています。

 この項目が出てきたあとは、実質上、うつぶせに園児を寝かせることは、禁止行為にあたるということです。それなのにも関わらず、事例のように相変わらず、うつぶせの状態で園児が発見され、死にいたる事故はなくなりません。

 待機児童の問題で、保育施設の整備が認可、認可外を問わず、日本全国で急ピッチに進んでいます。事例の認可外施設も開園してまだ1年もたっていません。保育施設の急な整備のカゲで、安全対策が隅々まで行き届いていないのが現状です。

 厚労省の来年度予算には、安心かつ安全な保育の実施への支援として、保育園等での事故を防止するため、保育園等への巡回指導や事故予防のための研修の実施を支援する。という項目が新しく入りました。

 巡回指導員は、認可、認可外の施設問わず、巡回指導するようです。巡回先では、ガイドラインに基づいた安全な保育ができているかどうかをチェックすると考えられます。保育施設の方々は、4月までにガイドラインに沿った保育が実現できるようにしなければなりません。

 事例のような事故を防ぐためにも、巡回指導が機能することを心よりお祈りしております。

2017.01.20